LIFE SHIFT 1、幸せな国?日本 | 読書ブログ

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自分が読んだ本の感想や、見所を書いていきます。本の最初から最後の部分まで書いていくので、多少のネタバレはご容赦下さい。

    本書は、ロンドン・ビジネススクール教授リンダ・グラットンとロンドン・ビジネススクール経済学教授アンドリュー・スコットの共著本です。
 
    人類の寿命が伸び、100年以上生きるようになってきた今、人々は新たな人生プランを立てなければいけなくなっています。この本は、そのプランの必要性や、「資産」の管理などについて書かれています。

    そして、この日本語版では、冒頭に「日本は幸せな国」と書かれています。本当にそうなのでしょうか?

    本書では、日本は世界一平均寿命の長い国と書かれています。
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     WHOの調査では、確かに日本は1位のようです。しかし、本書を読むと、『日本は寿命が長いから指折りの幸せな国』だと主張しているように思えてしまいます。人間の幸せは、寿命だけでは決められらません。

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     OECD諸国によるこのようなデータもあります。日本は非常に安全で、インフラも整っています。水は格安な上、伝染病の心配もありません。にも関わらず、日本人の幸福度は非常に低いのです。
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    何故、経済も発展し、安全な国に暮らしているのに不幸なのか?アメリカの心理学者、A・マズローの、人間の欲求階層。パナマやインドネシアの人々は、それを上手に満たせているのに対し、日本人はなかなか満たせない。資本主義の日本では、企業がビジネスの為に、「心配無い老後をすごすには・・・」、「ガンになったら・・・」不安を煽るような広告をよく使います。言い換えれば、文明社会が人の不安を駆り立てているのです。あるいは、「足るを知る」インドネシアやパナマの人達に対し、日本人は欲張り過ぎるのかもしれません。
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     藤田紘一郎著『遺伝子も腸の言いなり』三五館より

    また、厚労省の調べでは、日本人の平均寿命は首位から転落しています。
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    産経ニュースより

    自分が思うに、日本が世界のトップを取れたのは、戦前の質素な生活があったからこそだと思います。今の高齢者が若者ないし、子供の頃、貧しいながらも質実剛健な暮らしをしていました。

    少ない米や野菜を食べ、木造の家屋で暮らしていました。現代のように、農薬や化学肥料漬けの野菜や、化学物質が充満しストレスを与えるコンクリート住宅はほとんど無かったのです。だからこそ長生きでき、高齢になっても肉が食べられる程元気なのです。

    しかし、現代の子供は、当たり前のように肉や乳製品を食べ、コンクリート製の学校に通っています。他にも電磁波、医療制度等、挙げればキリがありません。子供でさえ、“成人病”のリスクがあるのですから笑えません。

    そんな子供達が100年も生きられるとは正直思えません。生きられたとしてもほんの一握りで、『人生100年プラン』は殆どの人にとって、無用の長物になるかもしれません。

    日本は戦後に導入された教育、食文化、医学が根強く残り、変化に遅れています。欧米では、「肉食は有害」というのが定着してきているのに対し、日本ではカルビ⚪️ックやパーティー⚪️ーレルなんかが話題になっています。

    下の写真のデータも、外国の人の楽観的に見たデータに思えてしまいます。
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     もちろん、このデータ通りにいけばいいと思います。日本の考えが変わり、行動が変わり、環境が変われば、これは夢ではありません。

    しかし、変化が無ければ、日本人の寿命は縮み、急激な人口減少が起こると思われます。

    本書の趣旨から外れてしまいましたが、『人生100年プラン』を立てるのは全く無駄ではないと思います。想定外に長生きしてしまった時の備えは必要でしょうし、余った資産は相続すれば良いのです。

    僕も100年以上生きたいと思っています。簡単に死にたくはありません。『人生100年以上生きる』。その計画の元、本書を読んでみます。

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