算数の難問にもいろいろあります。
一つは中学入試に出るような、小学校ではほとんど学習しないような特殊算の問題。
もう一つは、難しい計算は行わないけれど、問題が入り組んでいて、玉ねぎの皮を剥くように手順を踏まないと解答に辿りつけない問題。
一般の小学生には後者の方が、やりがいのある問題です。
中学受験生でも、落とし穴に引っかかる可能性があります。
問題文の読解力も試されます。
大人でも「しまった」と思うかもしれません。
もし良かったら、挑戦してみてください。
【問題】
1分に2個のまん丸巨大卵を産む巨大鶏が5羽います。この玉子を重ねて100mのタワーをつくろうと思います。卵の半径を5cmとしたら、9時50分ジャストから産み始めると、何時何分にタワーを作ることができるでしょうか。
いかがですか?一読しただけでは「えっ?」となり、もう一度読み返してしまいませんでしたか?
卵を積み重ねてタワーを作ることは分かります。
問では時刻を尋ねているので、所要時間を求める必要がありますね。
所要時間を求めるためには、タワーを作るのに必要な卵の個数と、1分間に産まれる卵の数を出さなくてはなりません。
半径5cmだから直径は10cm
100mは10000cm
必要な卵の個数は10000÷10=1000個
1分間に産まれる卵の数は、2個×5羽=10個
したがって1000個÷10個=100分
9時50分の100分後だと分かります。
この問題にはいくつもの落とし穴が仕掛けられています。
・直径を求めずに半径のまま計算してしまう
・1分に2個産むのに、卵は1個しか産まれないと思い込む
・5羽が同時に産むことを見落として1羽で計算してしまう
・100mと10cmの単位の違いに気づかない
・時間の繰り上がり計算を誤る
計算としては3年生から解ける問題だと思います。
しかし、5,6年生でも解くのは難しいと感じるかもしれません。
重なったラップのように、どこから剥がしたらよいかわからないのです。
この問題をなんなく解いてしまうようなら、算数の力と論理的な読解力がしっかりしていると言ってよいでしょう。自信を持ってください。
高学年で、この問題が解けないならば、考える練習が必要ですね。(羊)
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