オフィスワイケー日活ロマンポルノDVDと小原宏裕「ルナの告白 私に群がった男たち」(1976) | 映画遁世日記

オフィスワイケー日活ロマンポルノDVDと小原宏裕「ルナの告白 私に群がった男たち」(1976)

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以前一度取り上げたことがあるオフィスワイケーの激安DVDシリーズに、とうとう日活ロマンポルノ作品が登場!(ちなみにバッタもんではなくオフィシャル商品です。今のところ第1弾・2弾、計20作品が絶賛発売中)痒い所に手が届きそうな絶妙なラインナップで、個人的には直ぐにでも全部揃えたいところなのですが、現在絶賛貧乏中につきとりあえず4本を購入。

商品が届いて気付いたのですが、裏ジャケに「オリジナルのネガよりテレシネし、マスターの傷や汚れを修正したデジタル・ニューマスター使用」と書いてあるやつとないやつがある!もちろん1枚1,200円やそこらの金額でニューマスターの綺麗な画質を堪能出来るということは嬉しいことなのですが、ノー・マスターの商品はそれに比べると格段に画質が落ちます。同じ値段なのに(笑)。どの商品がニューマスター盤でどの商品がノー・マスター盤なのかということは、特に情報開示はされておりませんので、ガチガチの画質厨の方は細心の注意が必要です(どう注意すりゃいいってんだよ)。今のところはとりあえず、

通販→商品到着→ニューマスター表記を確認して一喜一憂

このようにひとつのイベントとして楽しむのが吉かと思われます(笑)。ちなみに参考まで、自分が購入した中では「団地妻 しのび逢い」(1972/西村昭五郎監督)、「犯す!」(1976/長谷部安春監督…ビデオ持ってるけど買い直し)の2本がニューマスターの安定画質(ハピネットやジェネオンのロマンポルノDVDに比べるとちょいランクは落ちますが、概ね満足画質)でした。よーし、もっともっと買って一喜一憂するぞぉ。

で、今回軽く感想を書いてみようと思った作品は、画質はすこぶる悪かったけどそんなのまったく気にならないくらい面白かった「ルナの告白 私に群がった男たち」(1976/小原宏裕監督)についてです。

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ルナの告白 私に群がった男たち (1976)
監督:小原宏裕
製作:岡田裕
脚本:佐治乾
撮影:前田米造
出演:高村ルナ、珠瑠美、湯沢務 、中丸信、やかた和彦、結城マミ、丘奈保美、井上博一、佐藤了一、高橋明、清水国雄、鶴岡修、賀川修嗣、影山英俊、朝霞マリ、日夏レイ、ダーナ・ワルシー

元ゴールデンハーフ、高村ルナの体験(多分でたらめ)を基に彼女を通りすぎて行ったギョーカイの男たちとそのまぐわいを実録風に追ったトンデモ芸能界内幕ロマンポルノ(goo映画の解説を改ざん)

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高村ルナおよびゴールデンハーフについては、こちらのテキストが親切丁寧・愛情一杯で分かりやすいです。

とにかく本作は、尋常ではないパワーに溢れていており、まるで山根成之監督のアイドル映画からポップさを抜き取って代わりにキッチュさを盛ったかのようなドギツイ映画で、もう堪らなくサイコーでした。

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元アイドル主演という鳴り物入り、それから「修道女ルナの告白」(1976/小沼勝監督…海外版DVDも出てるほどの人気作)のヒットを受けてということもあったのでしょうか、予算が通常のロマンポルノ作品に比べ潤沢にあったように見受けられ、ニセ歌謡番組の映像を盛り込んだり、大量のエキストラを動員したりと、胡散臭い内容の割に画が豪華に見えます。

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本人、ニセモノ(例:上條英男→上条英男)、歴史上存在しない人物等が多数登場。ロマンポルノでお馴染みの俳優陣も意気揚々とルナに群がったり群がらなかったりするギョーカイ人を演じています(笑)。さらには芸能界で痛い目に遭った代表格として"二億円事件"の大原みどり本人までが登場するという「ファンキー監督、あんたジョン・ウォーターズか!」と言いたくなるくらいのバイタリティ

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なかでも、中丸信演じる大物歌手・森田健一が酷い。結城マミ演じる、デビューしたてのアイドルをあてがってもらったと思ったらいきなりコップに黄金水を注ぎ無理矢理飲ませて情事スタート!芸能界に幻滅した結城マミはその後飲み屋のママに

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映画も終盤になると、キャラの名前を考えるのもめんどくさくなったのか影山英俊さんが演じるのはヘヤーデザイナー(笑)のダン・影山


いやこれ、ホント胡散臭いというかメチャクチャな映画で、現代人である自分の目で観ても『芸能界の裏側見せます』にも程がある!…と感じるほどでした。

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ゴールデンハーフも解散。堕ちてゆくルナはなんだかよく分からない二世俳優の変態性欲の餌食に

結果この映画はヒットを飛ばしたしたそうなのですが、これを機に高村ルナが芸能活動をフェードアウトしていったという事実…それは、きっと彼女が本作の出来に相当ショックを受けたからに違いないと想像します(笑えん…)。

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