「昨年10月初め、運動会前日に新型インフルエンザで学級閉鎖になり、運動会は直前で延期。それ以降も学級閉鎖がたびたびあって、結局開かれたのは11月初め。まだ休んでいる子も多く、プログラムも半分ぐらいになりました」

小学生の男の子をもつ奈良県在住の知人女性(44)が振り返った。この学校では、9月末までほとんど感染はなかったが、一気に拡大。女性は「運動会があと1週間早かったら、みんなで一緒にできたのに」と残念がる。

昨年5月に国内感染が確認された新型インフルエンザは、夏にいったん収まったものの、2学期が始まったころから再び拡大。学校現場で懸念されたのは、子供の健康状態とともに、学級閉鎖が長引くことによる授業時間の不足だった。

女性の息子が通う小学校の場合、学級閉鎖がいずれ起こるという前提で、授業のペースを速めていた。20分の休憩時間を10分に短縮するなど先生たちも、見えないウイルスに追いかけられるように、急ぎ足で授業を進めざるを得なかったようだ。「おかげで宿題が増えて、息子たちはぶつぶつ言ってましたが」と、女性は苦笑いを浮かべた。

新型インフルエンザは、子供がかかりやすい上、急性脳症などへの重症化も心配された。厚生労働省のデータによると、急性脳症と診断された患者のうち、15歳未満だけで80%以上を占めた。

一方、国が定めたワクチン接種の優先順位は、子供はそれほど早くなかった。10月中旬に医師に接種が行われ、11月初めに妊婦らが続いた。小学校低学年までの子供は11月中旬、高学年は12月下旬から始まった。

子供のワクチン接種がスタートしたころには、すでに多くが感染していたことになる。「結果的に妊婦はほとんど重症化しなかったし、子供をもっと優先して接種すべきだった」と指摘する専門家は多い。

先の女性が実感を込めて振り返る。「10月からたくさんの子供が感染してしまったし、すでにワクチンどころではありませんでした」(秋)

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