映画* ブラック・スワン | 有閑マダムは何を観ているのか? in California

有閑マダムは何を観ているのか? in California

映画に本に音楽。

山に海に庭。

インドア・アウトドア共に楽しみたい私の発見記録です。 



今年のアカデミー主演女優賞大本命と言われる、ナタリー・ポートマンのバレリーナ役を見てきました。


ピークをすぎたプロレスラーの哀愁漂う役に、ミッキー・ロークがとてもはまっていた記憶の新しい

「レスラー」と同じ監督の作品なのだそうですが、

片や、むさくるしく、汚らしい(失礼)野郎共

片や、華奢で優美な乙女達と、なんだかイメージが全く違っていて驚きますよね。


だけど、考えてみると、どちらもショービジネスであることは同じ。

集まってくる客層も、開催される場所も、違うけれど、

演ずるプロとして主役をとりたい!輝かしい地位を守りたい!と必死になる気持ちは、同じなのですね・・・・



バレエ団の一員として、日々熱心に練習に明け暮れるニナ。

母親のサポートの元、ついに次期公演の「白鳥の湖」で悲願の主役の座を手にし、感無量。


しかし、この主役は、白鳥と黒鳥の両方を演じなくてはならない困難なものだった。


元来、完璧をめざすまじめで純粋な優等生であるニナは、白鳥にはぴったり。

でも、奔放さや官能的な魅力を求められるブラック・スワンとしての踊りに悩む。



有閑マダムは何を観ているのか? in California-black swan



「自分を押さえ込まずに、もっと解放しろ!」

「相手も、観客も、誘惑するつもりで!」

という指導のもと、ニナは自分の殻を敗ろうとし始め・・・


有閑マダムは何を観ているのか? in California-black swan






自分とは全く正反対のタイプの新人ダンサー、リリー(ミラ・クニス)の天然の才能に怯え、

支配的な母親との関係に疑問を抱き始め・・・




有閑マダムは何を観ているのか? in California-black swan



大役を手にした喜びと共に、身に余るプレッシャーから、

だんだんと彼女のどこかが、狂い始める・・・・



有閑マダムは何を観ているのか? in California-black swan


ナタリー・ポートマンの迫真の演技は、評判どおりの見事さでした。

痛々しい主人公の焦燥感が、伝わってきます。


映画の中では、さまざまなことが起こるのですが、どこからどこまでが現実で、どこからどこまでが

ニナの妄想なのか、その解釈は観客に委ねられることとなります。


優等生として暮らしてきた自分の内面から、全く違う面を曝け出すことが、

ホワイト・スワンから、ブラック・スワンへの変容と重ねられていくわけですね。





有閑マダムは何を観ているのか? in California-black swan

(画像はRotten Tomatoes よりお借りしています)


ニナがいよいよ晴れ舞台で踊る公演初日が、まさに映画のクライマックスと重なります。

この踊りの迫力は、ぜひ映画館の大画面で観てほしい!


ナタリー・ポートマンは、子供の頃にバレエを習っていたそうですが、この映画の撮影にあたって、

おそらく猛特訓をしたのでしょうねえ。


彼女は、優等生的な一面に縛られることなく、様々タイプの違う役をこなせる方だと思いますが、

思えば、女優もまた、ショウビジネスの弱肉強食の世界で生きる職業。

ニナを演じる彼女には、やはり共感できる部分もあったのでしょうか。



日本での上映は2011年の春頃に予定されているそうですね。


オフィシャルサイト:  http://www.foxsearchlight.com/blackswan/