いつの世も、自分たちの身を守り社会を安定させるのは、簡単ではありません。
社会を脅かす天敵は、あるときは大型獣、あるときはイナゴの大群、はたまた隣に住む凶暴な部族。
この映画の舞台となる、昔のとある島で暮らす、バイキングたち。
彼らの天敵は、ドラゴン。
主人公のヒック(*注) は、強い父親のように、ドラゴンと戦う戦士となり、活躍したいと願っているのだが、
身体はひょろひょろ。
何をしても、ドジ。
父親からも、社会からも、一人前として扱われない。
* 英語での主人公の名前は、Hiccup = しゃっくり。
ここからも、彼の存在がどのように受け止められているか、暗示されてますよね~
そんなヒックも、念願かなって、戦士の卵のトレーニングプログラムへ参加することに・・・・
それぞれに個性的で、強さを持つ同年代の若いバイキング達と共に、彼は戦士になれるのだろうか。
ところが、偶然にも一匹のドラゴンと交流を持ち始めたヒックは、今までにバイキング達にみなされていたドラゴン像とは全く違った面を見出すようになり、
いつしかドラゴンと戦うのではなく、ドラゴンの理解者となっていく。
異種、他者との理解。
それによる、価値観の変化。
父親と息子の葛藤。
どれも、目新しいテーマではなくて、今までに繰り返し語られてきたものではあります。
が、テンポの良い展開、魅力的な登場人物(と、ドラゴン)によって、最後までワクワクと楽しく観られる映画です。
最近、アバターでも、空をとぶ生き物の背にまたがって自由に空を駆け巡る主人公のスリルと冒険の体験を、
3Dによって私たちもリアルに味わうことが出来ましたが、
この映画でもまた、ドラゴンの背に乗って自在に飛び回る興奮、空から見る美しい光景を味わえます。
観終わって、やさしく前向きな気持ちになれるファミリームービー。
日本では、夏休み中の公開となるようです。
オフィシャルサイトは、こちら http://www.hick-dragon.jp/