芸達者なジョニー・デップの魅力は、カッコいいクールな男役よりもむしろ、
ちょっと奇妙でエキセントリックな役で一番発揮されると感じている私にとって、
この映画は予告を観た時から、とーっても楽しみな一本でした。
独特のシュールな世界を作り出すのがお得意なティム・バートン監督。
彼の「ワンダーランド」なら、さぞかし、驚きがいっぱいなんだろうな~って、ワクワクしますよね。
期待満々で観に行ってみると、ワンダーランドの中で
ジョニー演じるマッド・ハッターを完全に霞ませてしまうほどの存在感を放っていたのは、このお方でした・・・・
ヘレナ=ボナム・カーター演じる赤の女王。
顔もデカけりゃ、態度もデカイ。
異様な国の、異様な存在として堂々たるものです。
さすが監督、自分のパートナーの役どころには抜かりない。
対する、白の女王を演じるのは、アン・ハサウェイ。
びっくりするほどおメメの大きな彼女、こんなおとぎの国の役柄がなかなか似合っていました。
ジョニーは、ねえ・・・・
へんてこりんな、理解に苦しむアクセントの言葉遣いと、コテコテのメイクに衣装。
奇妙な存在であることには間違いないのですが、なんだか本領発揮出来ていないような気がしました。
あまりにもいじられすぎた役どころ、っていうのかな。
映画は、ルイス・キャロルの原作の「不思議の国のアリス」の後日談 という形になっています。
主人公のアリス(ミア・ワシコウスカ)は、イギリスの上流社会に堅苦しさを感じ、
型に嵌められそうな自分の将来に対して不安を抱いているのです。
これを受ければ将来は安泰という、お家柄のよろしい青年からのプロポーズにプレッシャーを感じ、
思わず逃げ出したとたんに、ウサギの穴へ転がり落ちて・・・・・
ティム・バートンの描くワンダーランドを観たい!
ジョニーの演じる狂った帽子屋を観たい!!
という欲求は、視覚的には、まあまあ満足させて頂きました。
だけど、逆に言うと、ビジュアルに一方的に頼りすぎだったような印象。
お話そのものに深みがなくて、ドタバタと「不思議の国のアリス」の要所要所を次々に上滑りに
通り過ぎて行った という感じ。
もう少し、ニヒヒ笑いを出来ると思っていたんだけれど・・・・
オフィシャルサイト: http://www.disney.co.jp/movies/alice/
日本でも来月に公開が迫っているそうです。