悪女・・・・カッコいい響きじゃあないですか。
まあね、聖母マリア様でもない限り、世の中の女性なんて多かれ少なかれ「意地悪」ゴコロは持っているはず。
だいたい、悪女の要素が全くない女なんか、面白くない。
純粋で無垢、それでいて全てを包み込む女性が理想~
なーんて言う男は、騙されてがっかりするか、一生夢見て終わるしかない。
しかし、代々語り継がれ、歴史に残る悪女ともなれば、そのスケールも大きいこと!
やることドーンとやるからこそその悪ブリもかっこいいけれど、ちまちました根性悪は周りに鬱陶しがられるだけですものね。
世界悪女大全―淫乱で残虐で強欲な美人たち (文春文庫)
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マリーアントワネットやクレオパトラ、則天武后、イメルダ夫人にマリリン・モンローのような世界に名を知られる女傑から、あまり良く知らなかったけれど何かをやらかしている女性たちまで、ズラズラーっと紹介されるこの本は、まさに悪女全集。
彼女らの肝のすわり具合には、見習いたい部分があります。
だからといって、11歳で既に愛人三人手玉にとったり、次々殺害した娘達の生血で湯あみしたいとは思いませんけれど。
でも、ここで紹介されている彼女らの悪女ぶりは、全部鵜呑みにするわけにはいかないですね~。
多分、嫉妬や憎しみで一方的に誇張した話を伝えられたり・・・・
ちょっと目立つ金持ちや美人、権力者の失態は、面白おかしく尾ひれをつけてゴシップねたにされたり・・・
いつまにやら事実が10倍くらいに膨れ上がっているケースも多々ありそう。
特に男社会でそれなりに活躍した女性達は、もちろん並大抵の気の強さではなかったでしょうから、「怖い!」と噂され、敵も多かったでしょうしね。
ま、ひとかどの人物になろうと思えば、人の噂話なんか気にしてられません。
・・・・・そう、この本面白いのですが、噂話を延々と聞かされているような感じがすることと、歴史の中の興味深い人物について細切れに次々エピソードが出てくるんで、一体誰が何をした悪女だったのか頭の中ですぐにゴチャゴチャになってしまうところが難点。
この「大全」のなかで興味を持った人物については、更に自分で調べようというにはいいですね。
悪女の小説と言えば・・・・・
悪女について (1978年) | |
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クレオパトラみたいな世界の大物じゃあないれど、一人の「悪女」について深く掘り下げたこの小説、いいです。
「悪女」と関わった周りの様々な人物の証言を順番に聞くことで、彼女についてのイメージが少しずつ変わっていったりするのが、面白いですね。
実際、どんな人も周囲に与える印象は均一ではないですから。
もしかしたら、アナタだって誰かから「悪女」って思われているかもしれませんよ!?