「意識的な学習」と「無意識の学習」 | 松戸の英語教室、デュープラー英語学院・オフィシャルブログ

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人に英語を教えるという仕事をしていると、「人が何かを身につけるには何が必要か」ということについてあれこれ色々と考えてしまいます。

英語に限らず、何かを身につけようとするには、大きく2つの学習方法に分けて考える必要があるように思います。

それは「意識的な学習」と「無意識の学習」というものです。


「意識的な学習」というのは、既にそのことができるようになった誰かが何かしらの形にまとめてくれたものを、学習者が自分の「頭」を使いながら身につけようとする学習のことと言えます。

これに対し、「無意識の学習」というものは、誰かが答えとしてまとめてくれたものがなく、学習者自身が学習対象にあふれた環境に身を置いて、そこで過ごしていくうちに自然と少しずつ身についていくような学習のことです。


例えば、泳げない人が「泳ぎ」を覚えたかったとします。

これを「意識的な学習」と「無意識の学習」とに分けて考えてみましょう。

「泳ぎ」に関する「意識的な学習」とは、泳ぎの達人やコーチなどが「こうすれば良い」という方法をすでにまとめており、その方法を学習者が自ら意識的に学んでいく学習方法のことです。

足はどう動かすか、腕はどう動かすか、どのタイミングで顔を上げて息継ぎをするか、など、「理論」や「理屈」によってまとめられたものを学ぶということです。

ところが、そういう「理論」や「理屈」を誰かがまとめてくれたのではなく、誰かに教えてもらうのでもなく、とにかく「水」の中に飛び込んで、手足を動かしているうちに自然と泳げるようになった、という場合は「無意識の学習」によって泳ぎを覚えたと言えます。




ここで考えなくてはならないのは、「意識的な学習」にも「無意識の学習」にも、どちらも「一長一短」があるということです。


まず、「意識的な学習」は、「誰かが法則をまとめた」というものを使う時点で、それ自体が「完全」ではあり得ません。

誰かがまとめた法則には、必ず「抜け」があるものです。

そういう「抜け」があるものを学習していくだけでは、不完全と言えるでしょう。

また「泳ぎ」のように、「身体の運動」を伴うようなものは「理論」や「理屈」では説明しきれないものもありますから、それだけで何かを「身につけよう」するのは非常に困難です。

しかし一方で、誰かがまとめた法則を使った「意識的な学習」は、自然に身につけていく「無意識の学習」よりも遙かに短い時間で、効率よく重要ポイントを押さえるのに適しています。

特に、「基礎」となる部分を学ぶには「意識的な学習」の方が良いと言えます。



では、「無意識の学習」の長所と短所はどのようなものでしょうか?

「無意識の学習」では、「意識的な学習」では決して得られない「感覚」というものが鍛えられます。

「感覚」。

頭の理屈でどうこうできるものではありません。

「自然に身体が反応する」とか「なんとなく勝手にそうなってしまう」という「感覚」があるからこそ、人は何かを身につけていくことができるのです。

ところが、「感覚」というものには「他人に渡す」ということができないという短所があります。

自分の中にある「感覚」は、もしかしたら言葉で表現することが可能な場合もあるかもしれませんが、それも完全に人に伝えることができるわけではありません。

スカンクのガスのにおいを嗅いだことのない人にそれを説明しようとしても、なかなか伝わりません。

「感覚」というものは、その人自身が「環境から自力で獲得したもの」ですので、自分の中にはあっても、外に取り出して人に渡すことができないのです。

しかも、「感覚」は、環境の中に身を置いて、その中で何度も同じような経験をすることで少しずつ獲得されていくものと言えます。

このため、「無意識の学習」というものは、身につけていくのに時間がかかってしまうと言えるでしょう。



まとめると、

<意識的な学習>

 ・誰かがまとめた「理論」や「理屈」を使うため、不完全な部分がある。

 ・短期間で、重要ポイントを意識的に押さえることができる。


<無意識の学習>

 ・「感覚」で学ぶため、理論や理屈では補えない部分まで身につけることができる。

 ・あくまでも学習者本人が「環境」の中から自力で感じ取って学ぶ必要があるため、長い時間を要することが多い。


このように考えると、「意識的な学習」と「無意識の学習」は、お互いがお互いの弱い部分を補い合っていると言えますね。

これは英語などの外国語習得はもちろん、勉強、仕事、スポーツや運動、音楽や楽器など、何についても当てはまりそうです。


英語を習得する、ということで考えてみると、

 ・意識的な学習 = 文法学習、単語学習

 ・無意識の学習 = 英語の「音」の中に身を置く

ということになります。

無意識の学習がなぜ「音」なのか?

これについては、また別の記事で説明していきますね。



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