トリスの味は人間味

超名作なトリスCMを。このCMは「人間」に対する哲学的考察に見事に成功した一本であり、かつ、くぅ～ちゃんアイフル など犬主演CMの歴史的マイルストーンである。では、このCM音楽の構造を研究しよう。キーはEマイナーで、途中Ｇメジャー転調する。4/4拍子。 【I】イントロ |4/4 Em |C |Em |C| 　Ⅰm-♭Ⅵというトニック→サブドミナントマイナー。　街を歩くお坊さん、寺の鐘の音が鳴る。子犬が石段を駆け下り、小さな旅のはじまり。 【A】 オー、ダディ ダー。ダディ ダー。 |Em |Am7 |Em| 　男性コーラスがしっとりと入る。全てを諦めきったような声で歌うこと。 【B】間奏 |C-D7 |G-C |Am7-D7 |G| |C-D7 |G-C |Am7-D7 |Em| 　1小節目でGメジャーに転調。 　Ⅳ-Ⅴ7-Ⅰ-Ⅳ-Ⅱm7-Ⅴ7-Ⅰ 　特に解説は必要ないだろう、完全に理に叶った美しい進行だ。ここの旋律も美しい。最後の8小節目でEマイナーに転調して戻っている。ここで以下のナレーションが入る。 　いろんな命が生きてるんだなぁ。 【C】 ダディダディダーディダー。 ダディダディダーディダー。 |Em-D7 |D7-Em| 　歌は以上がエンドレスに繰り返される。Ⅰm-♭Ⅶヴァンプ（参照 ）だ。そして以下のナレーションが。 　元気で、とりあえず、元気で。 　皆、元気で。 　学生時代の替え歌に「トリスでは～品がない♪」という一節があったものだが、「安い酒」と「大衆考察」を掛け合わせた素晴らしい出来のCMだった。 ■関連記事：カルビー「堅あげポテト」 ■関連商品：