働く男に「マムシゲン」
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マムシゲン James Brown Sex Machine [Masters] James Brown Sex Machine
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ファンキーなCM音楽として有名な坂本製薬「マムシゲン」を採り上げる。 「それは働く男に それは情熱の男に 豊かに生きよう 坂本製薬のマムシゲン」 ってやつだ。ファンクらしく、コードは基本D79 のワンコード。16ビートのノリをしっかりと把握しよう。
ベースラインはチョッパーで、DとCの間を移動しているが、これはマイナー7thを持つコード内での、昨日述べた仮想長一度下降 繰り返しパタンと考えればよい。 テンションを使用した(参照 )ギターのプレイは以下で、 E79 + + + + e:-1010--------8-8-----8-8-----1010| B:-1010--------8-8-----8-8-----1010| G:---------------------------------| D:---------------------------------| A:---------------------------------| E:---------------------------------|
テンションとして11th(=G)も登場していることにお気づきであろう。DにとってG(=11th)は完全4度上にあり、コレはⅠ→Ⅳヴァンプ(参照 )を仮想的に展開していると考えていただきたい。 また、メロディであるが一音一音のノートを調べると マ ム シ ゲ ン F F E D D となっている。キーDメジャーなのに、Fというm3rd(短3度)が登場、これはブルーノート(参照 )だ。仮にブルーノートという存在を指定した場合、この曲ははっきりとDマイナー(ニ短調)の曲になってしまうだろう。例えば、上のギタータブ譜も、10フレットを押さえているときに第3弦も押さえて、Dmの音を出してしまっても、曲調との違和感が生じないことが解るだろう。この曲の一小節を Dm7-D7 とコードアレンジすることも可能だ。つまり、楽理的に言うならば、ブルーノートを含む音楽とは、無意識的に小さな同主調転調(参照
)を繰り返しているのだ、と解釈することもできる。 ワンコード進行は単色で色気のない感じがする。成立しそうにない感じがする。しかし、ワンコード進行で曲が成り立つということは、そのコードにテンション(m7th, 9th)とブルーノート(m3rd)を含めることで、同主調転調的な色彩や、長一度下降→上昇の繰り返し進行的色彩を盛り込むことによって、陥りがちな単色性を打開していると言えるのだ。その遊び精神がファンクの醍醐味なのだと思います。だからファンクが好きだ。 ワンコード進行かつ、セブンスナインスコードの名曲と言えば、ジェイムス・ブラウンの「セックス・マシーン」。マムシゲンとセックス・マシーン。我々学究の徒が向かう先の真理には、必ず、エロスがある。 ■関連記事:カルビー「堅あげポテト」 ワコール「デコルテメイクブラ」 アレンジブラ 板尾創路「半殺し」 あずまんが大王「空耳ケーキ」 ■関連リンク:マムシゲン仕様 ※残念ながら、坂本製薬の公式WEBサイトは発見できませんでした。 |