情報セキュリティとデカレンジャー | 牧歌組合~45歳からの海外ミュージシャン生活:世界ツアーに向けて~

情報セキュリティとデカレンジャー


マイクロソフトは、6月18日(土)「インターネット安全運動」の一環として子供たちにウィルス対策と情報セキュリティの啓蒙活動を行った(→参照 )。そこに登場したのが特捜戦隊デカレンジャー。怪人(アリエナイザー)ケバキーアがデカレンジャーらの宇宙警察のイントラに侵入しウィルスをばら蒔こうとするが、完璧なセキュリティ対策により未遂に終わる、という話。何故にデカレンジャーかというと、警察ネタの戦隊者であったことと、おそらくドサ回り用スーツが大量に空いていたのだろう(昨年の戦隊であったため)。


さて、今回は、ジャスミン&ウメコが歌う「girls in trouble! デカレンジャー」のコード進行を研究。ノリのいい単純な曲に思えがちだが、5パートの構成による凝った構成だ。

作詩: 藤林聖子 作曲: ゆうまお
編曲: 西端幸彦 歌: ジャスミン&ウメコwithデカレンボーイズ


【I】イントロ
*** *** *** ***
|E7 |E7 |E7 |E7|
***ュ *** *** ***R
|E7 |E7 |B7 |A7-B7|

E7ワンコード部分は、E7-D7-E7 とD7を一瞬交えても成立する。「何故、7thじゃないといけないのか」というと、メロディラインに♭7th(この場合Dの音、「デカデカ♪」のデに相当する)が混じっているので、E7なのだ。 8小節目、Ⅳ7→Ⅴ7で【A】へ進む。

■関連記事: パッヘルベルのカノン

【A】イントロ
*** *** *** ***
|E7 |E7 |G-D |E7|
*** *** *** ***
|E7 |E7 |G |A7-B7|

☆Ⅰ-♭Ⅲ進行の曲

スライ・アンド・ファミリーストーンの「Fun」は、Ⅰ-♭Ⅲ-Ⅳ-Ⅰの繰り返し。

ジェフ・ベック・グループの「New Ways」は、

Ⅰ-♭Ⅲ-♭Ⅶ-Ⅳ-Ⅰ

の繰り返しだ。


注目したいのは、2~3小節目の

E→G, Ⅰ→♭Ⅲ

という短3度上昇進行。突飛に見えるが、♭ⅢdimをⅥ7♭9の代理とするならば、Ⅰ→Ⅵという強進行となる。

また、♭Ⅲdim = Ⅰdim であり、Ⅰdimは#Ⅳdimの代理とも取れる。

結果的にこのコード進行は、Ⅰ-Ⅵ進行に親近性の高い進行であり、特にソウル、ファンク系の曲(←)で多用されているのだ。

注:ディミニッシュコードは、理論書によって、dim = 1, b3, b5, 6 とする場合(大体の専門書)と、dim = 1, b3, b5 (ギターコード本など)とする場合があり、後者では dim7が1, b3, b5 ,6 となる。この blog では前者の説を優先しているのでご注意を。

■関連図書:濱瀬 元彦「ベースラインブック」

■関連記事: 裏コード(Ⅰ->#Ⅳ)

【B】
*** *** *** *** ***
|C#m7 |G#m7 |A-F#m |B7 |E7 |E7|

Ⅵm-Ⅲm-Ⅳ-Ⅱm-Ⅴ-Ⅰ

Ⅵm、ⅢmはⅠの代理。その後はツーファイヴ。

■関連記事: 藤本綾とツーファイヴ

【C】
*** *** *** (***
|C#m7 |C#m7 |G#m7 |G#m7|
*** *** *** ***
|A7 |F#m7 |D |B7D |B7|

【B】パートの倍テン(倍のテンポで演奏すること) が基本。

注目すべきはDの挿入。

単純なツーファイブ、Ⅱm7→Ⅴ7の間に♭ⅦであるDが挿入され、

Ⅱm7→♭Ⅶ→Ⅴ7

となっている。♭Ⅶはサブドミナント・マイナー。結局はⅣ→Ⅳm→Ⅴ7という進行と同じなのだが、素敵なコードアレンジだ。


【D】
*** *** *** ***
|C#m7 |F#m7 |B7 |E|
*** *** *** ***
|A |G#m7-C#m7 |D |B7|


個人情報保護法対策セキュリティ実践マニュアル (2005年度版)

ひとごとではないデータベース情報の漏洩防止―事件簿から学ぶセキュリティ対策

Ⅵm-Ⅱm-Ⅴ7-Ⅰは循環コード。

Ⅳ-Ⅲm-Ⅵm-♭Ⅶ-Ⅴ7

【C】パート同様、サブドミナントマイナーの挿入が美しい。その後、 「プロフェッショナル~」以下の歌詞を歌った後、E7に戻り、解決、【I】を繰り返してワンコーラス終了だ。

■関連記事: 木下あゆ美CM
■関連リンク: ウイルスは対策ソフトとファイアウォールで「デリート」! (ITmedia)

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【このコンテンツは批評目的による特捜戦隊デカレンジャーの楽曲「girls in trouble! デカレンジャー」の引用が含まれています。音楽の著作権は著作権者に帰するものです。また、個人的耳コピのため音楽的には間違った解釈である可能性もありますが、故意に著作権者の音楽の価値を低めようとするものではありません。著作権者の権利、音楽の美学を侵害した場合このページに限り、いかなる修正・削除要請にも応じますので、ご教授ください】