水戸黄門のロボットアニメ | 牧歌組合~45歳からの海外ミュージシャン生活:世界ツアーに向けて~

水戸黄門のロボットアニメ

ダイオージャ1

ダイオージャ2

真中が黄門に相当するミト王子。左に格さん、右に助さんも存在する。

ダイオージャ3

名乗りをあげる時の図式

ダイオージャ4

ダイオージャ5



※補注:裏コードは↓で丁寧に解説されてる。是非ご一読を。


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【このコンテンツは批評目的による伊藤アキラ氏、渡辺宙明氏の音楽の引用が含まれています。音楽の著作権は著作権者に帰するものです。また、個人的耳コピのため音楽的には間違った解釈である可能性もありますが、故意に著作権者の音楽の価値を低めようとするものではありません。著作権者の権利、音楽の美学を侵害した場合いかなる修正・削除要請にも応じます】


以前「トリビアの泉」にて、アニメ版水戸黄門が話題になったが、ロボットアニメ版の水戸黄門も存在した。1981年日本サンライズ製作テレビ東京系で放映された『最強ロボ・ダイオージャ』だ。今日はそのオープニングテーマ曲を、裏コードの学習が可能なので採り上げてみよう。

作詞:伊藤アキラ、作曲:渡辺宙明、うた:たいらいさお の強力タッグである。

【A】パート

*** ***  
|Cm |Cm |B♭ |B♭|
*** *** **  
|A♭ |A♭ |Gm7 |Gm7|
*** *** *** ***
|Cm |Cm |B♭ |B♭|
*** *** ***  
|A♭ |Gm7 |Cm-F |Dm7-G7|

キーは、Cマイナー(ハ短調)だから、

Ⅵm-Ⅴ-Ⅳ-Ⅲm7 が基本となる進行(短調でよく見られるこの王道進行については後日、詳細に解説する)

さて、【B】パートに進むにあたり、同主調転調 を行う。CマイナーからCメジャーキーに転調するのだ。70年代~80年代アニメには同主調転調が多用されている(はず)。


次に転調先の【B】パートだ。

【B】

*** *** *** ***
|C |C |Am7 |Am7|
*** *** *** ***
|Dm7 |Dm7 |G7 |G7|
*** *** **** ***
|C |C |Am7 |Am7|
*** ***ー ***    
|Dm7 |G7 |A♭7 |D♭7 ♭5 |C|

基本はⅠ-Ⅵm7-Ⅱm7-Ⅴ7、循環コード だ。注目して欲しいのは赤字で示した部分。ここは普通なら、

Dm7-G7-C

で簡単に解決できる(終われる)部分だが、敢えて(水戸黄門ならぬミト王子の権威付けのためか)勿体つけた終止アレンジが施されているのだ。

まず、G7→A♭7(サブドミナントマイナー)へ進む。

次に、A♭7→D♭7 ♭5に完全4度上昇(→復習 )する。このD♭7 ♭5が今日の勉強ポイント。以前、ポカリスエット 解析の際に述べたドミナントG7の裏コードがこれだ。

ちょうど減5度(=ドに対するファ#)上に(下にも)離れている音同士。ベースの弦上で考えると、

G:===◎
D:==●=
A:=◎==
E:●===

●の音と◎の音。●に対して最も遠い音が◎であり、逆もそうである。不思議なことに両者のコードを交換することが(ドミナントとして使用される場合を中心に)可能で、それを裏コード と呼ぶ。

で、何故D♭7 ♭5と、♭5thするのか?

ドミナントG7をG7♭5すると、構成音は、

 ソ、シ、レ♭、ファ

D♭7♭5の構成音は、

 レ♭、ファ、ソ、シ。

何と、G7♭5と、D♭7♭5は全く同じコードなのだ。


で、曲の終止形を整理すると、

Ⅱm7-Ⅴ7-♭Ⅵ7-♭Ⅱ7-Ⅰ

青字で示したツーファイブ(サブドミナント→ドミナント)に対して、さらに赤字で示したサブドミナントマイナー→ドミナントの裏コードを挿入することで、結局解決を引き延ばす、という演出方法なのであった。あたかも、黄門様が印籠をなかなか出さないように。

■関連リンク: サンライズ ストリーミング
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