眞鍋かをり「サイエンスZERO」テーマ曲 | 牧歌組合~45歳からの海外ミュージシャン生活:世界ツアーに向けて~

眞鍋かをり「サイエンスZERO」テーマ曲


(c) NHK

眞鍋かをりが司会を務めている、NHK教育の「サイエンスZERO」。

科学を身近な切り口から解説してくれるよい番組で大好きです。

モンゴルの楽器、馬頭琴の響きが美しいテーマ曲「光の旅」(→Barksにて試聴可能 )。演奏するのはイラナ

今日はこの美しい曲を聴きながら、コード進行を研究しましょう。この blog にて過去説明してきた理論で十分理解できると思います。

(c) NHK

さて、採譜した楽譜が↓。 キーはFです。

光の旅

コード進行は、

【A】

|F|Bb|C7|F|

の繰り返し。

【B】

|Bb|F|Gm7|C|

|Bb|F|Gm7|Bb|Bbm7|F|

です。

『美麗的大草原』


NHKサイエンスZERO


眞鍋かをり LOVE BOX

◆コード進行解説
【A】パートは、

|Ⅰ|Ⅳ|Ⅴ7|Ⅰ|

これは、

パッヘルベルのカノン

バッハのプレリュード

で解説した音楽の基本となるコード進行。


【B】パートは、

|Ⅳ|Ⅰ|Ⅱm7|Ⅴ|

が骨組。Ⅳ-Ⅰはアーメン(ヴァンプ) で、

Ⅱm7-Ⅴはツーファイヴ

その後、

|Ⅳ|Ⅰ|Ⅱm7|Ⅳ|Ⅳm7|Ⅰ|

となっていますが、

Ⅳmはサブドミナントマイナー

Ⅳmの部分で物悲しさが際立ち、

トニック(Ⅰ)で見事な解決を得ることが、

感覚的にわかるでしょう。


さて、このⅣ-Ⅳm-Ⅰという終止形も重要。

この場合、普通ならⅣ-Ⅴ7-Ⅰで解決しそうですが、

ドミナントⅤ7は極端な話、

次にトニック(Ⅰ)に進む場合、

どんな音でもテンションとして混ぜることが可能です。

で、Ⅴ7(キーがCの場合コードGで、ソ、シ、レ、ファ)に

ラ♭(=♭9th)、ミ♭(=♭13th)を混ぜて

グチャグチャな色彩にしてみます

(これらをオルタード・テンションという)。

更に11thであるドを加えると、

Ⅴ7♭9 11 ♭13

これはⅣm7と共通音を4つ含むことになります。

 キーCの場合

 G7♭9 11 ♭13

 =ソ、シ、レ、ファ、ラ♭、ド、ミ♭

 Fm7

 = ファ、ラ♭、ド、ミ♭

よって、Ⅳ-Ⅴ7-Ⅰ進行を

Ⅳ-Ⅳm-Ⅰに置き換えることが

可能とされています。

馬頭琴のどこか寂しげな音色と、

この物悲しいコード進行がマッチしてますね。


しかし、理屈抜きに(お前が言うな?)、

馬頭琴の朴訥とした音色は心休まりますね。
本当にいい番組だ。

■関連リンク: サイエンスZERO(NHK)