ジョークのような展開でトランプ大統領が誕生しましたね。

この衝撃で最近話題を振りまいていたフィリピンのドゥテルテ大統領もかすんでしまいそうです。

 

この現象の完璧な解説および予言は「華氏911」などのドキュメンタリー映画で有名なマイケル・ムーアがしてくれています。全くもってそういう事なのでしょう。

http://www.huffingtonpost.jp/michael-moore/5-reasons-why-trump-will-win_b_11254142.html

 

私がトランプ大統領の誕生で思ったのは、格差も限界まで来たのだろうという事です。既存の体制をとにかく壊してほしいという多くのアメリカ人の思いがこの大逆転を実現させたのだと思います。NYTのページなどで全米のCounty毎の得票率が見られますが、見事に都市部のみが接戦でヒラリー勝利、残りは全部トランプです。

 

また、現代はヴァーチャルな世界が拡大しすぎて刺激中毒ですから、現実のイベントでも言い回しでも過激な方が好まれてしまう部分もあるのでしょう。ヒラリーが大統領になっても何も面白くありませんが、トランプだったらワクワクドキドキできそうですもんね。

 

Brexitも予想外でしたが根本は同じで既得権益を得ているエスタブリッシュ層が現在の利益を得続けられるように頭良く考えたロジックに、格差拡大で下に追いやられている人たちはもう騙されないという事なのでしょう。法律は強者の為にありますが、ムーアが書くように投票所だけは誰にも知られず鬱憤をぶつけられる場所だということです。

 

最も裕福なはずの超大国アメリカでこれが成し遂げられたのですから、他の国の既存秩序を破壊する側にいる勢力は勇気づけられる事でしょう。既に民主主義の国では同系統の動きが見られていました。

 

ここアジアでも前述のドゥテルテの前にインドのモディ首相は過激なもの言いと州知事時代に特定の宗教の人間が虐殺されるのを黙認した疑惑があった人物。そんな過激さはありませんが、汚職との決別を期待してダークホースからインドネシア大統領に上り詰めたジョコウィ。国粋主義者の安倍さんや汚職で政敵を葬り続ける習近平といった安定独裁組も居ます。

 

トランプは不動産屋さんの社長ですから、金融機関をあぶく銭を稼ぐ奴らとしか思っていませんから、ウォール街にとっては災難でしょう。それがまた人気を高めることになりますから、これからゴールドマン等がどうやって抱き込んで行くのかも見物です。