1月に「最後の戦い」という記事を書いた新興不動産ファンド最大手の一角、
パシフィックホールディングスがついに力尽きました。

パシフィックHDが会社更生手続き申請、連結負債は約1940億円


 [東京 10日 ロイター] パシフィックホールディングスは10日、会社更生手続きの開始を東京地裁に申し立て、受理されたと発表した。負債総額はパシフィックHDが1636億4600万円で、関連会社2社の負債1628億7600万円を合計すると総額3265億2200万円、内部消去などを加味した連結負債総額は約1940億円。東京証券取引所は同日、パシフィックHD株を4月11日付で上場廃止にすると発表した。(中略)

 パシフィックHDは2008年11月、中国の投資家から出資を受ける中柏ジャパン(東京都千代田区)に対して普通株で約6億5000万円、A種優先株で約470億円の第三者割当増資を行い、合計約476億5000万円を調達すると発表。普通株の払い込みは完了し、中柏ジャパンはパシフィックHDの総議決権の約29%を保有する筆頭株主になったものの、09年2月27日までに予定していた優先株の払い込みが完了しなかった。

 これを受けてパシフィックHDは、シンジケートローンなどの借り入れの弁済期日を延長できなくなり、資金繰りが急激に悪化したと説明している。中柏ジャパンとは新たな投資契約の締結を目指したがメドが立たず、月末に返済期日を迎える約840億円を含め、今後、継続的に借入金を弁済できない状況になった。(中略)

 監査法人トーマツは2009年2月27日、2008年11月期のパシフィックHDの有価証券報告書に監査意見を表明しないとする監査報告書を同社に出し、東証はパシフィックHDを監理銘柄に指定していた。


結局、このような市場環境の中で、中国の不動産会社が(特に債務超過企業に)カネを出すわけが
なかった、ということなのでしょう。不動産に限って言えば、中国も全く余裕がないということは、
この件からも想像できますね。

いつものランキングも載せておきましょう。いつもながら、上から順番に・・・ですね・・・。

<スルガコーポレーション破綻時の株価感応度ランキング>
 スルガコーポレーション  -39.80% 東証2部(ストップ安)    破綻!(08/6/24)

 ランドコム         -19.40% 東証2部(ストップ安)     破綻!(08/9/29)
 ゼファー           -12.17% 東証1部(ストップ安)     破綻!(08/7/18)
 アーバンコーポレイション -14.56% 東証1部(一時ストップ安) 破綻!(08/8/13)
 ランド            -11.01% 東証1部(一時ストップ安)  
 リプラス           -8.99% マザーズ(一時ストップ安)   破綻!(08/9/24)
 ジョイントコーポレーション -8.61% 東証1部            オリックス救済
 パシフィックホールディングス -7.54% 東証1部      破綻!!(09/3/10)
 アルデプロ          -6.13% マザーズ
 アセットマネージャーズ   -5.48% ヘラクレス
 ケネディクス         -4.38% 東証1部
 ダヴィンチアドバイザーズ -4.37% ヘラクレス
 クリード             -3.77% 東証1部             破綻!!(09/1/9)
 アイディーユー       -3.68% マザーズ(一時ストップ安)
 プロパスト          +0.10% JASDAQ(一時ストップ安)


<不動産ファンド規模ランキング>
 ダヴィンチ・アドバイザーズ    ヘラクレス  2兆1,689億円(08年12月予)
 パシフィックホールディングス  
破綻!】   1兆1,968億円(08年11月予)
 ケネディクス             東証1部      8,700億円(08年12月予)
 セキュアード・キャピタル      東証1部      6,042億円(08年12月予)
 アセット・マネジャーズ       ヘラクレス     5,300億円(09年2月予)
 クリード    【破綻】  4,500億円(08年5月予)
 リサ・パートナーズ   東証1部   1,672億円(07年12月) NEC CS出資!
 レイコフ                【破綻】       1,651億円(07年11月)
 トーセイ                東証2部      1,273億円(08年2月)


思えば、大和証券提携話や中国不動産出資など話題の多い会社で、何度か
このブログでも記事にしました。今働いている知り合いや出身者も友達なだけに、
起死回生がなかったのが残念です。

この業界、1月のクリード以降、しばし落ち着いた雰囲気もあった気がしていましたが、
やはり3月決算のタイミングに向けて、資金繰りに困る会社・ファンドが出てきて
しまうのでしょうかね。次は・・・。