もう一度、かんぽの宿に入札した人たちを概観してみましょう。

普通、こういった入札に参加した会社というのはディスクローズされるものではありませんし、
報道からすると恐らく日本郵政も少し抵抗したのでしょうが、鳩山大臣の「隠している」という
攻撃にあっという間に屈服し、リストが公開されました。

全部で27社ありますが、この27社をざっくり分類してみましょう。

<外資ファンド>
 エートス・ジャパン
 オークツリー
 コロニー・キャピタル
 バブコック・アンド・ブラウン
 AIGグローバル・リアルエステート
 TPGキャピタル
 ゴールドマン・サックス証券
 ペルミラ・アドバイザーズ(英系)
 CVCアジア・パシフィック(英系)
 GICリアルエステート(シンガポールSWF)

<日系ファンド>
 日興プリンシパル・インベストメンツ
 みずほキャピタルパートナーズ
 大和証券SMBCプリンシパル・インベストメンツ

<不動産会社>
 オリックス不動産
 三井不動産
 森トラスト
 東京建物
 住友不動産

<ホテルマネジメント会社>
 ルートインジャパン
 星野リゾート
 ホテルマネージメントインターナショナル

<その他>
 ケン不動産リース
 大江戸温泉物語
 神戸物産
 スタディー
 レストランかよ

名だたる主要なファンドは大体参加していますね。しかし、脱落の仕方をみていると、
雇用の維持など、不動産以外の部分で折り合いがつかなかったため、辞退したところが
たくさんあったのではないかなと想像してしまいます。

特にファンドは収益(=カネ)だけを追う生き物ですから、人件費は単なるコストであって、
「雇用」や「人の生活」といった概念はありません。予備審査を通過した会社で、1次選考を
辞退した会社が多いのは、この点で日本郵政と妥協の余地がないことを確認したのでしょう。

ホテルマネージメントインターナショナルというあまり聞きなれない名前が最後まで残ったのも
驚きますが、「レストランかよ」はいったい何がやりたかったのでしょうか・・・。
著名ファンド、ペルミラが予備審査で落ちた理由も知りたいところです。

いずれにせよ、政治銘柄に手を出せるのは政治に強い会社・・・のはずだったのに、
大きくあてが外れてしまったのがオリックスですね。