さんまとハバネロ

　時には本能である「ひとヒネリ」をせず、プレーンで食べる缶詰もある。たとえば、国分食品の「さんまとハバネロ」である。筒切りにしたサンマをトマトで味と色をつけたうえ、最強唐辛子であるハバネロ様を効かせてある。

　辛い・・・とにかく辛い。

　だが、ただ辛いだけではない。なまじっかな素材なら辛さに負けてしまうところだが、サンマの個性的な風味がちゃんと生きている。

　とはいえ、辛いものが苦手な方にはお勧めできない。辛いものが好きな方も、中和作用のある「逆薬味」を用意したほうがいいでしょう。私の場合は、酢をなじませた玉ねぎスライス、とんかつソースをかけた千キャベツ、冷奴、チーズなどです。

　食べ終わると、缶にけっこうな量のソースが残っていると思いますが、これでパスタを和えるとイケます。焼きソバや野菜炒めの味付けに使ってもいいですね。いずれも夏向きの、刺激的な仕上がりになるでしょう。

　このように、二段階で使える缶詰は優秀です。繰り返し読んでも面白い本と同様に。

　ちなみに、国分食品のサンマ缶詰シリーズには、「柚子胡椒味」、「梅風味」、「マスタード」など、様々な味付けがあるが、「ハバネロ」が最高傑作だと思う。

つまみ缶詰でいいよな！