おはようございます(こんにちは)。三重心身クリニックの臼井卓士です。
三重心身クリニックではこころの病やメンタルヘルス不調に対し、お薬の処方をしたり、カウンセリングでの治療も行っていますが、分子整合栄養医学という学問に基づいた、栄養素による治療も行っております。
前回「肩こりと乳酸」というテーマで投稿(→過去記事)
させていただいたところ、多くの方からご意見をいただきました。実際「乳酸を肝臓まで運ぶにはナイアシンが必要ですよね」といったお詳しい方からのコメントもございましたが、「先生(臼井)からメンタルヘルス不調に対しナイアシンをもらったら精神状態だけではなく肩こりも本当に良くなりました」などというコメントもいただきました。
ナイアシンは私たち分子整合栄養医学を実践する立場からは非常に重要な物質です。
ナイアシンという栄養素が体内でどのように代謝され、そしてどのような役割をするのか・・・。高校の生物の授業・医学部の生化学の講座・・・などで学んできて知識としてはあったのですが、なかなか実際の自分の健康づくりやクライアント様の健康づくりに役立てていなかったのがかつての私でした。
新宿溝口クリニックの溝口徹先生は、精神疾患だけでなく内科疾患やアンチエイジング、ガンなどに対し分子整合栄養医学を用い、お薬だけに頼らない治療を日本で推進されている第一人者の先生です。私は溝口先生に出会い、分子整合栄養医学を臨床(普段の診察)で実践するようになりました。
ナイアシンは三重心身クリニックの分子整合栄養医学外来で非常によく処方する栄養素です。精神症状の発症にも関連が深いからです。
さてナイアシンは、かつてはビタミンB3と言われていました。
ビタミンの定義は、
・自分で作ることができない(体内で合成できない)
・非常に少量で代謝に作用する
とされています。
ところがナイアシンについて研究がすすむと、大量に体内に存在し、アミノ酸の一種であるトリプトファンから体内で合成できる物質であることがわかりました。上記のビタミンの定義からはずれるため、ビタミンB3という名称を改めナイアシン(ニコチン酸とも呼びますがたばこに含まれる有毒成分のニコチンと紛らわしいため日本ではナイアシンと呼ぶことが多いです)となったのです。
(参考文献)
溝口徹:診たて違いの心の病 ― 実は栄養欠損だった!.第三文明社.2006.
ビタミン総合事典.朝倉書店.2010