妙齢になってくると「おしもの悩み」が増えてくるもの。
表だっては言わないけれど密かに悩んでいる女性も多いことでしょう。
それは妙齢の女性だけではありません。
私の外来には20代、30代の若い女性も「下着に便が付く」「紙で拭くたびに便が付いている」という悩みで受診されています。
ある意味、年齢関係ないかもしれない。
だって、決して肛門のしまりが悪いから漏れてるワケじゃないから。
すっきり出し切れずに残ったうんこが何かの拍子に出てしまっているケースが多いです
スポーツジムや温泉、プールなどで、うんこが転がっていて大騒ぎになった
という話を、今まで数人の患者さんから聞きました。
そりゃあ、トイレでもない場所でウンコが転がっていたら・・・ビックリしますよね
(いや、トイレの床に転がっていてもビックリするかな)
特に高齢者が利用している時に起こると
誰もが
「自分は大丈夫?」
「お尻のしまりが・・・」
と思うでしょう。
不安になる人も多いようですよ。
自分は大丈夫かと心配になって、それを確かめるために私の外来に来られる女性もおられます。
ま、そういう人に限って何も異常がないんですけど
肛門のしまりも良いし痔すらない。
でも本人は「便漏れ」「便失禁」の症状で悩んでおられます。
なんで肛門に異常が無いのに
パンツの中にウンコがコロンと挟まってるの?
下着に便が付くのか?
こういう悩みで受診される患者さんを診察すると、肛門の中に便があります。
ついさっき、出して来たのに・・・です。
ついさっき出して来たから、肛門に挟まっている便は出来たてホヤホヤのちょうどいい便です。
拭くと紙に何度も便が付いたり、キレイに洗っても、いやキレイに洗ってきましたっていう人ほど、肛門周囲にも便が付いていますよ
この状態で数時間経過すると・・・
便は古くなって固まります。
それがオナラと一緒に排出されたり、腹圧をかけたときに飛び出してしまったりしたのでしょう。
実際に、このような悩みをもつ患者さんに対して「出口の便秘(出残り便秘)」の治療をすると、その日からピタッと便が付くこともなくなり、下着の中でウンコが転がっていることも無くなります。
結局、肛門が悪いんじゃなくて、便の出し残しだったわけです。
だから私たちは「ニセ便失禁」と呼んでいます。
ホンモノの便失禁と区別するために。
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