座布団が血まみれ?! | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

昨日に引き続き出血のお話しです。


椅子に座って事務仕事していたら
何となくオシリが冷たいな~と思って
立ち上がったら
座布団が血まみれだったうひゃあー



とか


家で座布団の上に座って
テレビゲームをしていたら
オシッコがもれたような感覚があり
下を見たら座布団が血まみれだったあ゛ぁ゛っ



などなど

痔からの出血にまつわるエピソードは

たくさんありますえへへ…


今まで全然症状が無かったのに

突然出血することがあります。



しかも痛みが全く無いので

自覚症状がありません。


いつ出るか

予測も出来ません。


仕事中に座布団が血まみれになった患者さんは

職場で大慌てして

周りの人には痔だと言えずに

生理の出血ということにして

ごまかしたそうです汗


やっぱり
恥ずかしくて
言えませんかね・・・・・・。


自分が痔であることを

自覚している人が多いですが

中には全く痔に気付いてなくて

出血で初めて痔に気付く人もいます。


もう大騒ぎです。

癌じゃないか・・・がくがく

って心配して来られます。


イボ痔(痔核)は徐々に大きくなるので

その存在に気付いていない人も

実は意外と多いです。


特に内痔核だと

小さなうちは肛門の中に納まっていますから

脱出症状もありません。


全く気付かないわけです。


痛みも出血も

何の症状もなければ

その存在に気付きません。


そしてある日突然

大出血して

その存在に気付くケースもあるわけです・・・。


脱出しない痔核は

手術適応ではありません
から

まずは保存治療が原則です。


そこで痔の薬を使うケースが多いですが

便通を直さずに

痔の薬だけ使っても

出血がおさまらなかったり

もっとひどくなったりします。


そこで注射療法注射を勧められるわけですが

便通を直さずに注射療法を受けても

また時間が経つと

出血を繰り返すようになります。


その度に

何度も何度も繰り返し

注射療法を受けている患者さんもおられますが

注射療法の思わぬ副作用後遺症合併症で苦しむケースもあるわけです。


うちの診療所では

ジオン注射注射は行っていません。

その理由は以前のブログにも書きました。

私が注射療法をやらないワケ


それにね

便通を直したら

翌日からピタッと出血が止まって

全然血が出なくなった!びっくり


という患者さんがほとんどです。


だから注射療法の必要性を感じません。


痔の根本治療は

痔になった原因である便通を直すこと
だと思っているので

うちの診療所では

まず便通を直すことから始めます。


治療の第一歩は正しい排泄から

なので排泄指導から始めます。


必要に応じて坐薬や注入軟膏などの痔疾薬も使いますが

便まみれの肛門に薬を入れたって

ちゃんと効きません・・・。


だから便をスッキリ排泄してもらって

肛門の中を空っぽにしてから

お薬を入れてもらっています。


そうしたらちゃんと効きます。

それどころか

薬なんて必要ないケースがほとんどです。


それくらい

便通を直すことが大切だってことなんです。


座布団が血まみれになった患者さんも

今では全く出血しなくなりました。


もちろんイボ痔(痔核)は無くなってません。

ちゃんと肛門の中にあります。


でも正しく排泄すれば

治療しなくても

上手に痔と付き合っていけるんです。



だから

座布団が血まみれだからって

絶対に手術や注射療法が必要とは限りません。


まずは便通を直してみて下さいね!

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診療所のセラピードッグ「ラブ」らぶ
犬のようちえんで
大好きなおもちゃを前に
「待て」のトレーニング♪