メール相談はご容赦願いますm(_ _)m | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

このブログの読者の方から、オシリの悩みに関するメール相談が数件届いています。

私のブログを読んで、自分の症状と全く同じだったり、思い当たることがたくさんあったりするようです。

誰にも相談できず、一人で悩んでいる人の助けになれば・・・との純粋な気持ちで始めたブログです。

おかげさまでブログを始めてからまだ数ヶ月しかたっていないのに1日のアクセス数も1500以上と、たくさんの方に読んで頂いていて、出会ったこともない私の知らない誰かのお役に立てていることを嬉しく思います。

ですが、メール相談はご容赦願いますm(_ _)m

16年前、自分たちの手作りで診療所のホームページを立ち上げました。

当時、インターネットなんてあまり普及していなかった頃のことです。

医療機関がホームページを作るなんて・・・という時代でした。

患者さんの助けになれば・・・との思いでメール相談を受け付けたのですが、正直、大変でした(; ;)

まず最大の問題点は

「見ないと分からない」
「診察しなければ診断が出来ない」


ということです。

実際の診察室でも「患者さんが訴えている症状」「推察される疾患」が全く違うことだってあります。

症状から「裂肛(切れ痔)」だろうなあ・・・と思ってオシリを診たら「肛門ヘルペス」だったり、

「腫れている」ものが「脱肛(イボ痔)」の場合もありますし、「肛門周囲膿瘍」「血栓性外痔核」「見張りイボ」だったり、中には全然何も腫れてなくて、ただの「洗い過ぎ」だったりするわけです。

だから本当に診ないと、見ないと分かりません。

押して中に入れた方がいい場合もあれば、かえって症状を悪化させる場合もあります。

患者さん一人一人、対処法が違うのです。

この病気にはこれ!

とか

この病気にはこの薬!

とか

この疾患にはこの手術!

と、決まり切った治療があるわけじゃないんです。

誰にでも、何にでも効く魔法の薬や治療法なんてありません。

コッソリと誰にも知られず自宅で治せる方法なんてないんです。

もしそれが出来たら医療じゃないですよね。

それが医療だと言うのであれば、リアルの医療機関は必要なくなり、すべて電話とメールで診断→治療という形になりますよね。

実際に、そのような民間療法や薬治療が通販などで行われていますが、

適切な診断なくして最善の治療はありません。

だからメールや電話相談は危険なんです。

そこで「あなたの痔は〇〇ですね。この薬を使ってください。」とか「あなたのオシリは○○法で手術するのがいいでしょう」なんて言って、それが間違ってたらどうします?

患者さんにとったら、あれこれ指示してくれて、「こうだ!」と言ってくれる先生の方が頼りがいがあって親切だって思っている人もいます。

だけど、私は見ても、診てもないのに憶測で診断をして治療のアドバイスすることは無責任だと思います。

医師として誠実な態度ではないと思います。

私は自分が見たこと、診察した患者さんに対しては責任を持ってお応えしますが、見ても、診てもないのに症状に対して何もお答えすることができません。

ちゃんと受診して欲しいんです。

何も私の外来に来られなくてもいいんです。

近くにいる専門性の高い、肛門科のことを一生懸命やっている先生を見つけて受診して欲しいんです。

すぐにたどり着けなければ、色々な先生を受診したらいいと思うんです。

そして「この先生なら」と思える先生に出会って欲しい。

そんな願いをこめてブログを書いています。

blog127

診療所のセラピードッグ「ラブ」
犬も人も同じです
実際に会わないと写真だけじゃ、どんな犬か分からないですよね
飼ってみないと「犬のいる生活」がどんなものなのか分からないですよね



うちの診療所のホームページにあるメール相談は、海外や遠方から当院を受診される患者さんからの問い合わせのために設けました。

無料メール相談という意味合いではありません。

実際に診療所には海外からも患者さんが来られています。

また石垣島や北海道などから飛行機で来られる患者さんもおられます。

だから

遠方なので受診できないから先生が使っている薬だけ教えてください

とか

私の痔はどの治療法がいいですか?

とか

私の便秘の直し方を教えてください

と、ご相談頂いても、一人一人疾患も違えば治療も違うんです。

お答えできないんです。

お答えすることは無責任になるんです。

どうか、その点をご理解いただき、メールや電話でのご相談はご容赦願いますm(_ _)m


あなたはメールや電話で相談していませんか?

そこでの診断やアドバイスを信じますか?

医療は占いではありません。

見ないと、診ないと何も分からないのです。