病院に行くと、何度も名前を確認されることが多いと思います。正直、「何度も確認しなくてもわかるだろ!」と気分を害される方もいるのも事実です。

 

しかし、名前を確認しないとマズイことも起こるのです。だいぶ前のことですのでたぶん時効になっていると思うので、お恥ずかしいのですが私の失敗談をお話ししましょう。


救急車で中年の男性が搬入されました。外傷はないようですが意識不明です。連れ添ってきた奥さんを説明室に招き入れ、状況を説明し再び救急対応に戻りました。

しばらくすると、「家族の方が説明を希望しています」との連絡がありました。

「さっき説明したばかりだけど、他の家族が到着したのかな?」と思いつつ、持ち場を離れて説明室へ。そこにはさっきと違う中年の御婦人。

「もしかして・・・、奥さん? するとさっき説明した人は・・・・・・」。

意識が戻った患者さんに後に確認すると、一緒に来た人は「彼女(愛人?)」ということでした。

幸い家族とはトラブルにはなりませんでしたが、男性と奥さんとは、どうなったかわかりません。

「思い込みは危険!」と痛感した事件でした。

 

「家族の方、入ってください」と呼んで入ってきた人を、当然家族だと思い込んでしまったのです。

それからは家族と思っても、「どのような関係ですか?」と確認するようになりました。