「聞きたいことがあるの」



服を着なおしながら、肩越しに彼女が振り返った。「あなた―――本当に私を愛してるの?」



俺は彼女を見た。悲しげな表情。



だが、なぜか彼女の美しい顔に、それはくっきりと映えていた。



俺は彼女の腕をとり、うなじに唇を押しつけた。「当たり前だろ。お前がいない俺の人生なんて、狂言だ」


俺の言葉にほっとしたのか、彼女は弱弱しく頬笑み、肩に頬をすり寄せた。



「愛してるわ」



囁くような、甘い声。


習慣的に。機械的に。


俺の答えはもう決まっていた。


「俺もお前を愛してる」




俺は嘘つきだ。