段々と、彼女の瞳が見開かれていく。
その表情を見て、俺はすっと目を細めた。―――やばいな。
その顔、とっても綺麗だ。
周りの連中は唖然としてこの茶番劇を眺めている。
彼らの思っていることは分かった――――遊び人 Vs. ジャンヌ・ダルク。
最高の見世物に違いない。
しばらくして、彼女は顔を上げた。
その目に浮かぶ憎悪を見て、俺は思わず固まってしまった。
蛇に睨まれた蛙というのはまさにこのことだろう。
「いい」
彼女は俺の胸を小突いて、一語一語強調した。
「これ以上、私に、近づかないで」
ドンっと俺を突き飛ばし、彼女はスカートを翻した。
残ったのは呆気にとられている俺と、周りの嘲笑だけだった。
あとがき
ヘタ・・・。