「ぁぁぁああああああ!!!」



は?



ダフネは突然の叫び声に振り返った。



すると・・・




ドガアァン!!!



一瞬のうちにオークション会場のドアが吹き飛ばされた。



目をぱちくりさせていると「何だ、お前もっとうまく着陸しろよ!」と麦わら帽子をかぶった少年が起き上がって悪態をついた。



「オメーがつっこめつったんだろ!!」


と文句を言われたほうも言い返す。



ダフネはその少年を見て眉をひそめた。あの顔・・・・。



見覚えがあった。



でも・・・・・



「あっ、ケイミー~~~~~~~~~~~~~~!!」


と麦わら帽子の少年は水槽の中の人魚を見て歓声を上げた。「ケイミー探したぞ~~~~!!」



そう叫ぶやいなや、水槽に向かって突っ込んでいく。



だがその体を唇が異様に長い男が捕まえた。「ちょっと待て麦わら!!!なにする気だよ!!」


それでも止まらない少年に半ば引きずられていく形で男が説得を試みようとした。



すると。



「え・・・・!」



ダフネは息をのんだ。


男の服から四本の腕が出てきたのだ。



まさか・・・。




「きゃあ~~~!!」


とどこからか女の悲鳴が聞こえた。



男もようやく気付いたらしい。慌てて少年の体を離す。



「魚人よ~~~!!!気持ち悪い!!!」



「なに!?魚人?!」



ダフネは舌打ちした。まったく、厄介なことになりそうだ。



「なんで魚人が陸にいるんだよ!!」



「やだもーなにこの肌の色!なにその腕の数!!」



「怖いわ!!存在が怖い!!近寄らないで―――!!」


「海へ帰れ、化け物!」




化け物はあんたたちのほうよ・・・!!



ダフネは唇をかみしめ、魚人を取り巻く周囲を睨みつけた。



カタ・・・・



地面の石が揺れ始める。



「おい」



キッドがダフネの腕をつかんだ。「落ち着け」



「私に命令しないで・・・・!」



ダフネがキッドを睨みつけた時だった。








ドン!!ドオン!!









2発の、銃声。




ダフネの体がこわばった。


そんな・・・・




倒れこんだ魚人の血が階段をつたう。



その前にはあの天竜人がいた。


持つ銃には煙が漂っている。




「当たったえ~~!魚人を仕留めたよえ~~!!」



血を流し続ける魚人を見ながら小躍りする天竜人。




「タ~ダタ~ダタコがタ~ダ!!」






ダフネはその天竜人を睨みつけた。



「人でなし・・・!」



多分、隣にいたローと腕をつかんでいたキッドには聞こえただろう。



なぜなら彼らも同じように眉をひそめたから。



「ごめんなァ・・・!」



天竜人に向かっていく麦わらの少年の腕をつかみながら瀕死の状態で謝る魚人。




「魚め~!!!打ったのにまたペラペラと喋って・・・・お前むかつくえ~!!」


また天竜人が銃を構えた。



麦わら帽子の少年が顔を上げた。



かつかつと階段を上がり、天竜人の目の前に立つ。



その表情が意味するものが三人にはっきりと分かった。



「本気か!?」



隣でキッドが声を上げた。



もちろん、本気だろう。



なぜなら・・・。



「お前もむかつくえ~!!」



天竜人の銃口が火を噴いた。




少年は腕を振りかざし、強烈なパンチを天竜人の頬にお見舞いした。



天竜人の体が宙を舞う。



ダフネはにやっとわらった。



彼の目には、迷いなんてなかったから。














あとがき








最後だめだわ・・・