中々言いたい部分まで辿りつきませんな。
おまけに、単純に見つけた史料だけ紹介してくつもりだったのに、どんどん関連事項調べちゃったり。
また書きたい事が溜まったり。
そうしているウチに、前に書いた別テーマのエントリーに追加でエントリーしたくなったり。
内実は色々と大変。
( ´H`)y-~~

ってことで、今日もアジア歴史資料センターの『朝鮮土地調査法関係一件/1 明治43年12月24日から明治44年1月9日(レファレンスコード:B03041645800)』から質疑応答の続きを見てみましょう。

第十五問
林野の調査は、田、畓(水の下に田)と同じく其の申告に基き所有権を認め然るべきや。


小面積の林野を除き、面積稍広くして共有、公有、国有等の疑ある林野は、証憑書類を提出せしむるか、其の他適実の方法に依り調査するものとす。
林野についても申告により所有権を認めるべきかという質問に対して、小面積の林野以外で共有、公有、国有の疑いのある林野は、証拠書類と提出させるか、その他適切な方法で調査するものとする、と。
これも答えになってんのか・・・。(笑)

ただ、注目しておきたいのは「公有、国有」以外に、「共有」もちゃんと認識している所ですね。
「全国的に分布していた、一族の土地や村の共有地も大部分没収された」なんて言ってるサイトもあるわけですが、果たしてどうなんでしょうねぇ。(笑)

第十六問
道路の調査を為すに当り、(甲)田、畓(水の下に田)又は草坪等の間に至りて止まる耕作道路の類にして、区域明かならざるか又は狭小なるものは、実地の状況に依り、道路となさずして畦畔に準ずべきや。
(乙)一所有者の土地のみに通ずる市街地以外の道路は、其の両側地の所有者の異なると否とに関せず、全て両側地の畦畔として調査すべきや。
(丙)同一地に達する数條の道路ある場合に於て、部落の通路に関係なく且公衆用と為す必要なしと認むるときは、実地の状況を斟酌して、主要なるものを道路と為し、其の他は畦畔に準ずべきや。
(丁)道路が垈を貫通する状態に在りて、其の貫通する部分は道路の形状を有せず、垈の一部と視るべきものなるときは、其の部分は垈とし又垈との一部と視るが為に、短距離の間に於て道路の断■数箇所に及ぶも、尚垈の一部と為すべきや。


道路たる形状を備へ、且容易に変更改廃せざるものは、総て道路として調査するものとす。
現在の日本の地目でも公衆用道路ってのはあって、しかも色々とトラブルもある分野だったりするわけですが。

まぁ、ここでも道路について色々な質問が出てますが、答えとしては基本道路の形状を備えて変更とか改廃が簡単にできないなら、全部道路として調査してちょ、と。
「道路たる形状を備へ」という前提もありますし、まぁ妥当なとこ。

第十七問
水道道路は、地表が他地目に使用せられあるものも、尚之を水道道路として調査すべきや。


水道道路として買収又は寄附を受けたるものは、水道道路として調査すべきものなり。
んー。
一昨年の4月12日のエントリーに見られるとおり、保護国時代には各地で水道工事があったわけで、日本から技師を呼んだり、用地買収しに行ってるとこを見ると、埋設配管の水道作ったんだろうなぁ。
で、「土地の者が吾々の土地を掠奪に来たのであると大騒ぎして、吾々を襲撃せんとした事もあった」なんてのを見ると、やっぱり色々あったんでしょう。(笑)

ってことで、水道道路として買収又は寄附を受けたものは、表層部の地目が何であっても水道道路として調査、と。

第十八問
鉄道所用の土取場は、如何に調査すべきや。


線路に沿ひたるものは線路内に包含せしめ、隔離したるものは相当地目を付すべきものなり。
線路引くための土砂採取場について。
線路に沿ってるものは線路内に含め、離れているものは相当の地目を付す、と。
ツッコミようもないので、次へ。

第十九問
道路附属の小溝及道路と竝行せる小溝にして、図上に現はすことを要せざるものは、道路に包含せしめて調査すべきや。


溝の中央を以て疆界と為すものとす。
側溝みたいなもんに対する質問。
パッと見、何言ってるか分からなかったんだけど、溝の中央から道路寄りは道路の付属物。
溝の中央から外側部分は、外側の土地の付属物とするって事だろうなぁ。
っつうか、大丈夫か?それで。(笑)

第二十問
溝渠が一筆地中に孕在する池沼の一端に流入し、更に他の一端より流出せるものは、如何に調査すべきや。

溝渠が同一の幅を以て池沼内を貫通するものと看做して、調査すべきものとす。
細けぇーよ、日帝・・・。_| ̄|○
しかも、どういう意味合いがあるのか俺には分かんねぇ・・・。
とりあえずそのまま、池沼に流れ込む溝渠と出て行く溝渠は、同一の幅で池沼を貫通していると見なして調査するとだけ理解しておこう。(笑)

第二十一問
高低なき土地にして、畦畔を以て田、畓(水の下に田)との疆界と為すものは、如何に調査すべきや。


畦畔の中央を以て疆界とす。
まぁ、明確にどっちかのものでない限り、真ん中で境界ってのは一番良い方法でしょうね。

第二十二問
河川に沿ひたる堤防は、河川に包含せしめて調査すべきや。


河川に沿ひたる堤防は、河川に包含せしめて調査すべきものとす。
但、其の堤防が道路なるときは、道路として調査す。
河川に沿った堤防は、河川に含めて調査。
但し、別用途で使用されている場合はその用途による地目で調査、って解釈で良いんじゃないかな。

第二十二問
前項の場合に於て、幅員広闊なる堤防の中央に道路あるも、尚全部を道路として調査すべきや。


然り。
堤防の幅員が広く、その真ん中に道路があるような場合でも全部を道路として調査すべきか、という質問に対して、その通り、と。
まぁ、第十六問と同様に、道路としての形態を有していれば、道路として調査ってのが基本ルールなんだろうなぁ・・・。

つうか、堤防の道路と聞いて、真っ先に「金八先生」のイメージが浮かんでしまうウリだよー。(笑)


ってとこで、今日はここまで。



土地調査事業に関する質疑応答(一)
土地調査事業に関する質疑応答(二)