少し古いんですが。

青森舞台にキム・スンウ主演映画

嗚呼。
青森オワタ・・・。_| ̄|○
つうか、始まってもいないとか、そういうツッコミは不要で。(笑)


さて、本題。
今日も前回に引き続き、1896年(明治29年)3月16日接受『機密第18号』を見ていこう。

一.江原道鉄原は、賊の占るところと為ること既に2旬余なりしが、曩に此方面に派■せられたる親衛隊は、過日該処の賊を攻撃し、一挙之を掃攘したり。
故に、賊の為め捕はれて牢獄に繋がれ居りたる、当館■■の韓人飛脚(前回報告に記載す)并に本邦人売薬商吉冨幸三郎は、辛くも一命を助かり、官兵4名に護送せられ去月29日無事当地に帰着せり。
2月4日のエントリーの1896年(明治29年)2月22日発『電受第116号』で見られるとおり、鐵原の郡守は追放されているわけで、恐らくはそれ以降占拠状態なんでしょうね。

で、具体的な占拠日は不明ですが、今紹介している『機密第18号』が3月4日付けである事を併せて考えると、文中の「2旬」は20日程度を差しているんでしょう。
つまり、鉄原占拠は2月12日前後と推測されます。

そして親衛隊が派遣され、暴徒を追い払う。
すると、2月16日のエントリーで見た「多分殺害に遇ふべしとの確報」があった飛脚は、捕らえられていただけで実は生きていた、と。
ついでに、日本人薬売りの吉冨幸三郎も救助されている。
んー、良く生きてたねぇ。

一.乱民鎮撫に関する勅諭頒示の為め、内部参書官徐相集及申大均2氏は去月21日出発。
騷優地方坡州、開城、驪州、利川等に向へり。
又、同日宣諭大員に任ぜられたる従二品崔益鉉は、意見を述て任命を辞したるも、「此時急務莫先於安民、卿於此任、義不介辞、即往宣諭」との勅答ありたり。
又別紙第2号の通り、地方乱民鎮撫に関する詔勅を発し、且つ従一品申箕善(去6月朴定陽内閣のとき軍部大臣たりし人)、従二品李道宰(前内閣の時、趙羲淵に代て軍部大臣と為り、尋■学部大臣に転じ、断髪令に反対して■職せる人)の両氏は、去月27日宣諭使に任ぜられ、申は南路、李は東路に派遣するの命ありしが、聞く所に拠れば李道宰は結髮網巾(断髪の周圍を束するもの)及衣服を旧式に復し、然る上にあらざれば宣諭の功なしとの意を以て、上疏を為したり。
依て近日中、結髮復旧の命を発すべしとの説あり。
而して申箕善は昨3日南路へ向け出発し、李道宰は明日東路に向け出発の筈なり。
んー、崔益鉉にもフラれたのか・・・。
それなのに、すがりつくかの如き勅答。
で、その他にも勅諭を広め暴民を収めるために、徐相集、申大均、申箕善、李道宰等が選ばれた、と。

一.内部土木局長南宮臆は、曩に宣諭使として春川に派遣せられたる後、洪川に於て乱民に遇ひ懇々説諭を加へたるも、乱民は更に聞入れざるのみならず、却て捕縛せられんとするの有様なりしかば、山中に遁れ入り■かに身を以て免がれたり。
然れども、隨行の巡検■他輿夫は皆■殺害するところと為れり。
洪川の暴徒は、宣諭使により説得されても、聞き入れないどころか捕まえようとする。
その為に、宣諭使南宮臆は這々の体で逃げ、随行者は皆殺された、と。

一.各道暴徒蜂起の模様は前回来追々及報告至候処、近頃に至り又々慶尚道晋州、全羅道光州、黄海道海州等地方にも暴民蜂起し、観察使、郡守及以下の官吏も殺害せられたるもの少なからず。
だからな、乙未義兵のどの辺が抗日義兵なんだ、と。(笑)

一.当政府税関雇総税務司英国人マクレウイ・ブラウン氏は、現職の外今般更に司部全体に於ける出納事務を委任せられたる旨、別紙第3号の通り同部大臣勅命を■して諭達せられたり。
尚同人の外に英人「ラウダー」なる者も、同部顧問として雇入れられたりと云ふ。

右及具報候也。

敬具
ブラウンは、1893年から1904年に目賀田種太郎に変わるまで総税務司を続けています。

附随する別紙については画像だけでテキスト起こし省略。
尹孝定等による還御の請願書、『別紙第1号』が、『各国内政関係雑纂/韓国ノ部 第一巻/7 明治29年2月24日から明治29年3月24日(レファレンスコード:B03050002200)』の9~10画像目。
何度目になるのか最早分からない、暴徒鎮撫に関する詔勅、『別紙第2号』が11画像目。
総税務司ブラウンが度支部全体の出納も委任された大臣勅令、『別紙第3号』が12画像目ということになりますので、各自ご確認ください。


さて、今日はこれでお終い。
次回でこの連載は、一旦終了予定。
では。



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