価格の手頃さと蓄積した技術から効率生む(2003.7.30付紙面掲載記事より)
神鋼電機(東証1部・6507)が開発した家庭用小型風力発電機
そよ風くん
が話題を呼んでいる。
マスコミ発表を行った6月24日以降は、多い日で400件の問い合わせが殺到した。
その大半は一般家庭から。
その他、自治体や学校関係からも相次ぎ、ハウスメーカーなどからの取り扱い希望も舞い込んだ。
「ソーラーと併用し、なるべくクリーンエネルギーを使いたい」そんな太陽光発電の利用者からの問い合わせも多いという。
また、「ビニールハウス用の電気代を、これで減らせないか」という農家、さらに、「すぐ持って来てほしい」という声も数百件に及び、「手応えを感じている。
発表以降の問い合わせを分析し、早急に販売体制を整えたい」と、広報グループ長の郡司哲夫氏は言う。
開発したのは、毎秒2メートルの風(木の葉がそよぐ程度)でも発電できる垂直軸風車方式の発電装置(写真)。
垂直方向に長い翼を5枚、回転軸を中心とする放射線上に配置した構造で、電力はバッテリに600ワットまでためることができる。
また軽量であるため、テラスのある一戸建て住宅にも取り付けられる。
翼の長さが0.9~2.0メートル、回転部分の直径が1.6~4.0メートルの4機種を10月より発売予定だが、反響が大きかった最大の理由は、価格の手頃さにある。
予定販売価格は、従来の小型風力発電装置の常識を覆す20万~30万円台。販路は、直販・通販・ネット販売の他、住宅メーカーや家電販売会社とのタイアップも検討している。
販売目標についてはまだ明確に固まっていないが、当面は最低でも40万台は販売しようという意気込みだ。
主な市場となる年間120万戸の新築住宅のうち10%が12万戸。
これに既存一戸建2600万戸の1%にあたる26万戸を加えた数字が、40万台という数字の根拠になる。
日本における風力発電の導入実績は、01年現在で約25万キロワット。
政府は01年、2010年までの導入目標を、それまでの10倍にあたる300万キロワットに上方修正した。
普及が先行する住宅用太陽光発電は、94年度より国から補助金が出ている(最高は01年度で235億円)。
しかし住宅用風力発電の場合は、購入者を対象とした補助金制度はまだない。
理由を経済産業省に聞いたところ、「(いま主流のプロペラ式は)風切り音がうるさいので、そもそも住宅地には向かないのではないか」とのこと。
さらに、発電効率の点でも問題があった。
こうした従来のプロペラ式に比べ、同社の開発した垂直軸式は、風きり音がほとんどしない。
月間発電量は、最大機種の場合、毎秒4メートルの風が吹く場所で48キロワットアワー、毎秒7メートルの風が吹く場所で266キロワットアワー。
余った電力を売電するシステムは今のところ搭載されていないが、前者は月約1000円弱、後者は月約5500円の電気代が節減できる。
用途としては、家庭用の他、街灯、遠隔地・離島の電源、公共施設の災害時用電源など幅広く見込んでいる。
そもそも日本の風は、風力発電には不向きであるという。
風向きが一定せず、とくに市街地では年間平均風速が毎秒4メートル以下のところが多いためだ。
そんな日本の風を効率よく捕らえるため、同社は、翼の形状にも工夫を凝らした。
揚力を生み出すために断面が流線形になっている航空機の翼をヒントにしたという。
従来の風力発電装置は始動時の数秒間、内蔵モータで回さなければならなかったが、同社装置は毎秒0.5メートルの風で自力回転を始め、毎秒2メートルの風が吹くと、回転軸と発電機の間に設けたクラッチがつながり、発電を始める。
クラッチや発電機は、同社の主力製品のひとつ。
さらに、整流器、発電コントローラ、バッテリ、インバータなどのセット販売で前述の価格となるが、バッテリ以外は全て自社製品で賄える。
それが、低価格の理由である。
前述の翼の形状をはじめ、この小型風力発電装置のベースには、同社が長年手掛けてきた航空・宇宙分野の技術がある。
とくに、航空機向けの小型発電装置には強く、戦時下は戦闘機用に納入。
現在も、航空自衛隊が使う航空機に搭載する発電機は、防衛庁へ独占的に納入しているそうだ。
こうした技術の蓄積があるため、開発期間は短かった。
昨年12月、社長と副社長が昼食をとりながら、「最近、風力発電に参入する企業が増えた。
うちも何かできないか」という雑談をしたのがきっかけだったという。
じつに半年というスピード開発だが、この件に関する特許・意匠も十数件出願している。
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上の記事は古いですが参考になります。
私も先日、お隣の県、徳島県大麻町まで本物を見に行ってまいりました。
年間平均風速4m/秒くらいの町(10m高)。
残念ながら設置されているお宅の方はご不在でしたが勝手に覗いてまいりました。(いいえ、のぞきではなく堂々と見させていただきました)
①まわっている姿がきれい!
②格好いい!
③音がしないのでご近所への迷惑にならない!
(風速7m/秒くらいあったが聞こえなかった)
④発電量のわりに本体価格が非常に安い!
⑤太陽光発電に比べ工事が簡単(だと思う)!
⑥壊れなさそう!
補助金なしでもつけたくなります。これなら。
神鋼電機さん!ありがとう。 パチパチパチパチ・・・拍手!
ちなみに私の住む//町は年間平均風速2mくらい(10m高)。
それでもつけたくなりましたので発電量のシュミレーションしません。
と言いながら・・・
家を買ってからつけようか?
と考え直すボブでした。
多分、神鋼電機さんもこのページ見てると思いますが
シンコウさん、ごめんなさい。もうちょっと待ってくださいませ。