あわせて読みたい なかのひと
2005年05月17日(火)

突然の来訪者

テーマ:美容と健康

先日の昼休みに”突然の訪問者”が・・・


・・・(エントランスのチャイムの音♪)・・・

「こんにちは!」

誰だろうと顔を覗けると、20歳代前半と思しきキレイな女性が立っています。

「えっ~と、ご用件は?」

「お久しぶりです!・・・分かりませんか?」

えっ、誰だろう?。こんな若い女性とプライベートな付き合いは・・・?


彼女の風体を凝視します。

キレイに化粧をし、髪はなんていうんでしょう、編み上げてアップにまとめています。

クリーム地?に花柄模様の華やかな半袖のワンピース。


脳裏に何か響くものはありますが、「記憶にありません!」。

 

彼女は微笑んで僕を見ています。

こんなキレイな娘なら忘れないと思うんですが・・・?

記憶をたどります・・・何もやましいことはしてないはずですが・・・(笑)


「お部屋、大分変わりましたね・・・」

ああ~っ、クライアントだったか・・・良かった・・・(何の安堵じゃ~?)

リニューアル後を知らないとなると、1年半以上前の来院者ということです。


「えっ~と・・・」

「△△県の○○ですヨ・・・」

「えっ~~~!!!」(驚)

「お忘れでしたか?」


忘れはしない!・・・忘れるわけがない!!

 

彼女は2年以上前に当院に通ってきていたクライアントでした。

症状は、重度の来院者が多いウチの中でも『最重度』・・・

人づてに噂を聞いて、隣県より初来院された時は・・・

服もスカートも白色・・・白い大きな帽子をかぶり、肌が露出しないように上から下まで全て真っ白の衣服・・・

母親に付き添われ、自分では症状もしゃべれない状態(これは精神的なもの?)。


”主訴”は身体中の痛み、倦怠、不眠、生理不順、頭痛、嘔吐、呼吸が困難・・・

夕方までベットにいて、それから少し活動する生活・・・

あらゆる検査を受け、「異常は無い」と・・・

「精神的なもの?」と心療内科を勧められ通院しているが、「安静にしなさい・様子を見なさい・原因が分かりません」と・・・もう2年近くそんな生活・・・


施術衣に着替えてもらい、まず立ち姿を観ますが・・・”ふらふら”し背中は丸まり、顔つきも締りがありません。

仙腸関節(骨盤の関節)が動きません。身体中の筋肉が「ガチガチ」です。

口を開ける様にしてもらっても「ガクガク」して上手く開きません。

仰向けにベットに寝ると・・・「身体が痛い!、電気消して~!」と・・・

 

蛍光灯に肌が反応を起こしているのです。

 

蛍光灯は1秒間に60回(東日本は50回)点滅しています。この点滅と”白色光”がダメなのです。(この頃同症状の来院者が続いたことから臨床室は”調光式白熱灯”を光軸が目に入らないように設置しました)

 

この日は明かりを消しての施術となりました。

 

身体を触ろうとすると・・・”ほんの少し肌に触れただけで、痛い!”・・・

仰向けに寝てるだけで、”息苦しい”・・・

クレニオ・セイクラル・セラピーの「CV‐4テクニック」(後頭骨のみ圧迫します)も「ジンジンする」と出来ない・・・5g圧で肌に触れるだけで「なんかキツイ・苦しい」・・・


初日に触れたのは・・・”手のひら”、”足首から先”・・・

それでも、触れた筋肉の拘縮(硬く縮こまった状態)をゆるめ、楽な姿勢を見つけ90秒間その姿勢を維持させることで”胸筋群”をゆるめることだけは出来ました。


終了後に身体の状態を説明する時には、「久しぶりに胸が楽になりました」と言うのです。

しかし、「オステオパシーで体調を改善できるかどうか、何とも言えません・・・」と言うしかなかったのです。

「それでも、すでに行ける所は全て行ったので、コチラにすがるしかない」とおっしゃるので、当初は1日ないし2日おきに来院をお願いし、そこからセラピーが始まったのです。


始めのうちは、3歩進んで2歩下がる・・・3歩進んで3歩下がる?・・・が続きました。

3週目頃からは週一回に・・・しましたが、当初全て家族が送り迎えしていたのが、1ヶ月もすると隣県から1時間半かけて(電車の便は良いので)一人で来院される様になり、3ヶ月目ごろには普通に身体に触ること(オステオパシーでの一般的施術方法)が出来るようにはなりました。

4ヶ月目頃来なくなり、どうしたのか?、良くなったのか?、また悪くなったのか?、どこか他に行っているのか?と思っていたのですが・・・


それから、約2年後の来訪です。


「あれから体調良くなって、何とか生活してました・・・ありがとうございました」

「そう!良かったですね。今は不調は無いの?」

「時々痛みとか、寝付かれないときはありますけど、普通に生活してます」

「それで今日は?・・・」

「チボリにこれから行くんで、そのままになってしまったんでご挨拶に・・・」


この業種では良くなると突然来られなくなるため(1回分の料金が掛かりますからネ)、お礼状とか頂くことはありますが、なかなか経過が分かりません。

何ヶ月か何年かして、また調子が悪くなり再来院された時に「あの時は良くなった」と聞く位いが関の山なのです。


彼女の表情やしゃべり方で、体調が良いのは歴然と分かります。

 

あの頃は化粧すら出来ず、表情はいつも沈んでいました。髪もボサボサ・・・。

服装はいつも『白』・・・陽の光を嫌って、来院はいつも夕方・・・。

 

その頃とは別人です。


手作りのクッキーを持ってきてくれました。(こんなことが出来るようになってるんですね)

今は何か勉強して、職に就きたいと考えているようです。

そして、彼氏が出来、「車で待っている」と言うことです。


「先生・・・これから私、生きてゆけます・・・」との言葉を残して彼の元へと向かいました。


突然の来訪者でしたが、「ああ、セラピスト冥利に尽きますネ」。

いいね!した人  |  コメント(6)  |  リブログ(0)

dreamさんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

コメント

[コメントをする]

6 ■>セレさん

本当にそうだと思います。一時は半身不随に近かったこともある僕がこのような仕事をしているのも運命的なものを感じています。
彼女に少しでも良くなってもらおうと日々勉強・研究をしたことが、テクニックの向上にもなりましたし、その後のクライアントへの療術に生きています。
こうしてセラピストはクライアントによって成長させられるのだと思います。

5 ■すごく良いお話・・・

読んでて涙が出てきました。私も体調が悪い時にどうやって明日頑張って行こうと思うことがあるので、彼女がいま元気になって頑張っていけるようになった、そのアシストをされたdreamさんのお仕事って素晴らしい。

4 ■>ひろさん

心から「ありがとう」「助かりました」って言ってもらえる仕事ってそんなに無いですよね。
改めて「日々精進せねば」と思います。

3 ■>styleさん

僕らの仕事は、「一時的に治してあげる」ではなく、こういった「健康回復のお手伝い」なんだと思います。
難しい仕事ですが、やりがいのある仕事でもあります。

2 ■無題

この気持ちはこの仕事をするものにとって何物にも変えがたいですよね

1 ■感動です。(涙)

素晴らしく感動してしまいました。
身と心の健康は、人生を変えるのですね。人の人生にプラスに携われた・・・最高です。

コメント投稿