2024年の報道の自由度、中国は180か国中172位「ジャーナリストにとっての世界最大の監獄」
国境なき記者団が、世界報道の自由度指標を発表した。中国は、180か国中172位となり、最下位グループとなった。
世界報道の自由度指標は2002年から発表されている。指標は、前年の報道の自由度に基づいて評価される。ジャーナリスト、ニュース局、ネチズンの自由度を評価することが目的だ。政府による報道の自由に向けた努力も評価される。
国境なき記者団は、中国を、ジャーナリストにとっての世界最大の監獄と評した。
新華社通信、中国中央電視台、中央人民広播電台などのニュース局、中華日報、人民日報、環球時報などの新聞は、政府によって直接コントロールされている。中国共産党プロパガンダ局は、編集ガイドラインを発行し、すべてのメディアを検閲している。中国中央電視台や中国国際放送などは、中国政府のプロパガンダを世界に発信している。
中国政府は、メディアを政府のマウスピースと見なしており、独立した報道を抑圧している。デリケートな内容を報道したジャーナリストは、監視、嫌がらせ、拘束、拷問を受ける。表向きには言論の自由が認められているが、報道関係者にはこの原則が適用されない。定義が曖昧な「スパイ罪」、「国家政権転覆扇動罪」などを乱用し、政府はジャーナリストの口を封じしている。ジャーナリストは弁護士をつけることができないまま、長期間拘束される。
習近平は毛沢東時代同様の厳しいメディア規制を行っている。情報へのアクセス、提供が犯罪と見なされうるのだ。
6日、習近平はフランスを訪問し、歓迎を受けた。国境なき記者団は、100人超のジャーナリストが拘束されている中国の国家主席を国賓待遇で迎えることは矛盾をかかえていると指摘している。国境なき記者団は、フランス政府に対し、中国政府によるジャーナリストの検閲・抑圧を停止させるよう求めている。
国境なき記者団のアシスタント・ディレクター ティバウト・ブルティンは次のように語っている。
「フランスは習近平を国賓待遇で迎えています。私たちはこれを歓迎できません。私たちのスタッフの1人が、4月10日、香港から追放されました。フランス政府は、習近平に圧力をかけなければなりません。そして、中国政府に、ジャーナリストに対する検閲、抑圧をやめさせなければなりません。」
【亀田浩史訳】