新たにインドへの亡命に成功したチベット人元政治犯が語った中国の刑務所での苦境
昨年インドへの亡命に成功したチベット人元政治犯ナムキが、中国政府の統治下での苦境、迫害を証言した。
ナムキは、ンガバのチャロ村の遊牧民の家庭で生まれ育った。
ナムキによると、チベット人活動家は中国当局による行動制限があり、文化や仏教の慣習も抑圧されていたという。ナムキは、中国統治下のチベットの苦境を国際社会は把握できているのかと懸念を示した。
2015年10月21日、ナムキは仲間とともにダライ・ラマ法王の写真を掲げ、チベットの自由とダライ・ラマ法王、キルティ・リンポチェのチベットへの帰還を求めた。その数分後、現場に到着した警察により、ダライ・ラマ法王の写真は押収された。
その後、ナムキらは手錠をかけられ、ンガバ県留置所へ連行された。留置所では7か月間拘束された。その後、不当に国家分裂扇動罪で懲役3年の判決を受けた。刑務所では、強制労働を科され、差別的な扱いも受けた。刑務所は寒く、栄養失調にもなったという。
「2018年10月21日、私たちは刑期を終えて釈放されました。私の兄も投獄されていたため、私の家族は中国当局のブラックリストに載りました。釈放後は、表現・行動の自由は厳しく制限されました。私の知り合いはみな危険に晒されました。」
2023年、ナムキは従姉妹ツェリン・キとともにインドへの亡命の旅を開始した。そして、同年12月28日、ダラムサラに到着した。
【亀田浩史訳】