日本訪問予定の中国人作家王力雄の出国を中国当局が禁じる。「国家の安全を害するため」 | チベットとビルマの難民支援 難民支援NGO"Dream for Children"公式ブログ

日本訪問予定の中国人作家王力雄の出国を中国当局が禁じる。「国家の安全を害するため」




中国当局が、反体制派の作家・歴史家王力雄(62)の出国を禁じた。「国家の安全を害するため」だという。

王は、19日、北京国際空港で飛行機への搭乗を拒否されたという。王が22日明かした。

「メディアがすでに報道しています。そのため、これ以上いうことはありません。」
王はこう語った。

「しかし、報道は事実です。」

王は19日、東京行きの飛行機に乗る予定であった。しかし、「国家の安全を害する」として出国を拒否された。

「当局の言い分は、常套句です。」

しかし、メディアに話をしないことを「約束」したとのことで、それ以上のコメントを王は拒んだ。


公然なる批判

王は、ウイグル問題、チベット問題を追っており、中国政府の方針を公然と批判してきた。

王は、投獄されたウイグル人学者イリハム・トフティを、南アフリカの自由の戦士で後に大統領になったネルソン・マンデラと同等だと称えた。

1999年1月、王は「国家機密漏えい罪」で逮捕され、42日間拘束された。中国政府のウイグル政策に関する記事を書くため研究を行っていた最中のことであった。

王は、2014年7月にも、チベット人作家である妻ツェリン・オーセルとともに、自宅軟禁下に置かれた。アメリカのジョン・ケリー国務長官の中国訪問中の出来事であった。

オーセルもまた、出国を禁じられている。彼女のパスポート申請は、当局により拒否されている。


渡航禁止

北京在住の人権活動家胡佳によると、渡航禁止が王にまで及んだのは初めてのことだという。

「王力雄は、これまで渡航は自由でした。しかし、今、渡航禁止は王にまで及んでいます。」
胡佳は王夫婦に先週面会したという。

「王夫婦は、妻がパスポートを拒否され、夫が渡航を拒否されています。夫婦の扱いには大きさな差があります。オーセルの方が厳しい対応になっています。チベット人だからです。」

「王は、時に出国を禁じられ、時に許可されると言っていました。」

「しかし、今年、当局は意図的に王を狙っているようです。」

胡佳によると、出国を禁止される人の数は急速に増えているという。

人権弁護士、およびその家族(留学目的を含む)は、今年7月以降、出国を拒否されている。

今や、出国拒否は、反体制派の活動家にまで及んでいる。


チベット問題


王は、これまで、" Sky Burial: The Fate of Tibet" を含むチベット問題に関する本を執筆している。また、文化大革命期にチベット文化が大規模に破壊されたことを非難している。

最近のRFA中国語サービスで、王は、1950年に中国人民解放軍がチベットに入った際に、チベット人の大虐殺を行ったことを詳細に述べた。また、チベット人と中国人を差別する「階層化」についても言及した。

王は、1991年に出版された黙示録"Yellow Peril"で有名だ。この中で、王は、中国が政治・経済・文化・人口・生態の危機、そして、国家の崩壊に向かうと述べている。この本を含む王の著作10冊が中国では出版禁止となっている。

王は、自身の本の邦訳のプロモーションのために日本を訪れる予定であった。その後、台湾に渡り、大統領選挙の様子を見る予定であった。日本の共同通信からの情報だ。

日本語訳された王の作品は、民主主義、チベット、ウイグルに関するものであり、香港、台湾などでは高い評価を受けているという。

【亀田浩史訳】

元の英語記事はこちら



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