18歳のチベット僧が焼身自殺。チベットの自由を求めて。(2011年以降チベット本土で120人目)
20日、中国四川省で18歳のチベット僧クンチョク・ソナムが、チベットの自由を求めるスローガンを叫んで焼身自殺を遂げた。現地では、中国当局が焼身自殺に対する取締を強化している。
クンチョク・ソナムは、ンガバのゾゲのタンコル・ソクツァン僧院外で焼身自殺を遂げた。朝の祈りの後であったという。
彼の遺体が中国当局に押収されるのを阻止しようと、僧院には数百人のチベット人が集った。
「焼身自殺は午前8時から9時の間に起きました。彼はチベットの自由を求めるスローガンを叫んでいました。」
ゾゲの住人はこう語った。
「中国当局は遺体を差し出すよう要求していますが、僧侶は拒んでいます。」
「クンチョク・ソナムと心を一つにするため、人々は僧院に集っています。その数は、約300人です。」
今回の焼身自殺で、2009年以降の焼身自殺者は121人となった。彼らは中国のチベット統治に抗議し、ダライ・ラマのチベットへの帰還を求めていた。
6月11日には、タウのニャツォ僧院そばで焼身自殺が起きた。
中国当局は、焼身自殺に関する取締を強化している。焼身自殺に関与したとされる人の投獄も相次いでいる。懲役15年の判決を受けた人もいる。
役人の人事異動
ゾゲでは、最近、中国共産党の役人の人事異動が行われた。前任者がチベット人に人気があることが判明したため、そして、焼身自殺に備えるためだという。
ゾゲの中国共産党書記であったテンジン・ヤルペルは、6月8日、ンガバの環境保護局に異動になった。事実上の左遷である。彼がチベット人の宗教の儀式を認めたためと見られる。
今回の焼身自殺以前に、今年、ゾゲだけで5件の焼身自殺が起きている。
それ以前にも3件の焼身自殺が起きている。
中国当局は、ゾゲに「スパイ」を送り込み、「チベット人の会話と行動を監視している」という。インドのダラムサラのTibetan Centre for Human Rights and Democracyからの情報だ。
中国当局は、焼身自殺者を支持するいかなる行動も行わないようチベット人に圧力をかけている。ゾゲのツォング街のバルミ僧院の僧侶からの情報だ。
月給
この僧侶によると、2012年10月以降、バルミ僧院では、中国政府が僧侶たちに月給を払っているという。
「政治的な抗議を行わず、中国共産党に忠誠を誓うという条件の下で月給が支払われています。」
「他の僧院でも同様の政策が行われているかは不明です。月給については試験的な措置だと思われます。この措置により、中国当局が僧院の指導者を任命する権限を持つようになるのです。」
【亀田浩史訳】
元の英文記事はこちら
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