20代のチベット人が焼身自殺。2011年以降チベット本土で92人目
またもチベット人が焼身自殺を遂げた。中国のチベット統治に対する抗議と見られる。
8日、東チベットのゾゲのスムド僧院の僧侶クンチョク・ペルギェ(24)が自らの体に火を放ち息絶えた。
インドのダラムサラのキルティ僧院によると、クンチョク・ペルギェは、午後5時20分頃、タクツァン・ラモ・キルティ僧院の集会所前で自らの体に火を放ったという。
「クンチョク・デルギェは、炎に包まれながらもじっと手を合わせていました。そして、ダライ・ラマ法王とキャビエ・キルティ・リンポチェの長寿とチベットへの帰還を求めるスローガンを叫びました。」
「また、チベット人のチベット本土への帰還と団結を求めるスローガンも叫びました。」
クンチョク・ペルギェは現場で息絶えた。
僧侶たちは、クンチョク・ペルギェの遺体を取り囲み祈りを捧げたという。
その後、クンチョク・デルギェの遺体は僧院の広場へ運ばれた。数百人の僧侶と地元のチベット人が最後の祈りを捧げるべく、集まっているという。
「現在、数百人の僧侶が集って、祈りを捧げています。」
「中国当局がタクツァン・ラモ・キルティ僧院に駐留しており、村は厳しい監視下に置かれています。」
クンチョク・ペルギェには、9人の家族がいた。父はクンチョク・キャブ、母はドルマ・ツォだ。
クンチョク・ペルギェは子供の頃にスムド僧院の僧侶となり、2010年にタクツァン・ラモ・キルティ僧院に移っていた。
ゾゲでは、11月30日、クンチョク・キャブ(29)も焼身自殺を行っている。彼は、中国治安部隊に連行された後、12月1日、バルカムの病院で息を引き取った。
今週、アメリカ政府は、チベット人の焼身自殺が相次いでいることに「深い懸念と遺憾の意」を示し、中国政府が現地の状況を悪化させていると非難した。
アメリカのチベット問題特別調整官マリア・オテロは、12月5日、声明を発表し、中国政府が焼身自殺に対し、「チベット人の宗教・表現・集会の自由を制限する」対応を取っていると非難した。
「アメリカは、チベットで暴力が続いていること、チベット人の焼身自殺が相次いでいることを深く懸念し、遺憾の意を抱いています。」
「中国当局が、チベット語、ダライ・ラマ、焼身自殺者を非難する発言をしていることが、状況を悪化させているのです。」
2009年以降、93人のチベット人が焼身自殺を行っている。
【亀田浩史訳】
元の英文記事はこちら
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