中国警察に銃撃されたチベット人の証言 | チベットとビルマの難民支援 難民支援NGO"Dream for Children"公式ブログ

中国警察に銃撃されたチベット人の証言

中国警察に銃撃されたチベット人の証言です。つい最近、インドに亡命された方です。


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私の名前はツェワンといいます。今日は要点だけをお話したいと思います。全部を話すには少なくとも3日は必要です(笑)。




私の体には2箇所中国警察に銃撃された場所があります。左腕と右の腎臓付近です。多くの皆さんがご存知だと思いますが、チベットには人権、表現の自由、宗教の自由がありません。私はこれに抗議して撃たれたのです。




私は農家の生まれです。チベットには主に農民と遊牧民がいますが、みながダライ・ラマとパンチェン・ラマを崇拝しています。この2人が我々にとって最も重要な僧侶です。しかし、ダライ・ラマ14世が任命したパンチェン・ラマ11世は中国政府に誘拐されてしまいました。(訳注:19956歳のときに誘拐され、その後、彼の姿を見た者はいない。)中国政府は別の人物をパンチェン・ラマ11世として擁立しましたが、チベット人はこの人物を信用していません。また、パンチェン・ラマ10世は中国当局に毒殺されました。(訳注:パンチェン・ラマ10世は1989年、中国の役人の前で中国に抗議する演説を行った後、謎の死を遂げている。)



チベットでは僧侶になる者は5歳前後で出家するのが普通です。しかし、最近、中国は新しい政策を導入し、出家できるのは18歳以上となっています。




私は農家の生まれですが、中国政府は農民を強制移住させます。2007年までは移住にあたり保証金がもらえましたが、それ以降は条件付きとなりました。その条件とはダライ・ラマを非難することです。ダライ・ラマを非難することができない人は保証金をもらえません。また、中国人は身分証明書さえあればチベットのどこにでも住むことができますが、チベットの農民が自分の意思で移住するには、中国当局から許可証をもらわないといけません。私は地方出身なので、ラサに住むことはできませんでした。



私の個人的な意見を言えば、中国はチベットに感謝すべきです。現在の中国の経済発展があるのは、チベットの豊富な資源のお陰だからです。また、多くの大河の源流もチベットにあります。




2008314日、ラサで大規模なデモが発生し、デモはチベット中に広がりました。それまでの中国当局の政策に対する怒りが爆発したのです。324日、私は自分の村でデモに参加しました。



1996年以降、チベット人が持っている剣などの武器は中国当局によって押収されています。チベット人が使えるのは2本の手だけ、そして、スローガンを叫ぶことだけです。しかし、中国当局は強力な武器を持っています。




デモの最中、20歳の僧侶が撃たれました。私は彼を助けようとしました。しかし、今度は私が撃たれました。右の腎臓付近、そして、左腕を撃たれました。私は自分のことで手一杯で僧侶を助けることができず、僧侶は亡くなりました。



私は友人の助けを借りて逃げ延びることができました。そして、約1年間、友人の家で暮らしました。近くに病院はなかったので、回復には時間がかかりました。横になるとき、体の左半分に重心がかかれば腕が痛み、右に重心がかかれば腎臓が痛みました。痛みは激しく、私は自殺したいと言いました。しかし、友人が、「ダライ・ラマは50年も亡命生活を余儀なくされている。パンチェン・ラマは誘拐されたままだ。それに比べたら、お前の傷など大したことはない。」と宥めてくれました。「インドに亡命すれば自由がある。」とも言ってくれました。そして、その後、治療に専念しました。治療の間、500本のペニシリンを服用しました。




傷が回復した後、私は友人とともに亡命しました。ラサからネパールまでは10日かかりました。ネパールを出た後、デリー経由でここに来ました。これからここで暮らすために英語の勉強をしようと思います。



言い忘れましたが、私の村では14人が殺され、80人が怪我をしました。重症の人もいました。死体は火葬するのですが、火をつけようとすると「私はまだ生きている。」と叫ぶ瀕死の人がいたこともありました。




以上が、私の話です。みなさんは自由の国の人だと思います。チベット人がどれほど虐げられているか、帰国したらまわりの人に話してください。そして、中国政府に圧力をかけて、残忍な少数民族政策をやめさせてください。少なくとも、「人を殺してはいけない」と言って下さい。



本日はどうもありがとうございました。



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彼の左腕に巻かれたサポーターが痛々しかったです。中国の警察は一般人に簡単に発砲します。

今月発生したチベット人への発砲事件の記事はこちら。

http://ameblo.jp/dream-for-children/entry-10629682552.html