Cernへいきました | 女医の国際精神保健

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精神保健および公衆衛生を軸に、韓国、ロンドン、ジュネーブ、ニース、フィジー、赤道ギニア、東京、インド。
他にも、旅行、馬術、音楽、写真などについて記載しています。

Cern へ行きませんか?」
インターン委員会から一斉メールがありました。
それは噂の!
というわけで、早速スーパーバイザーに確認の後、参加希望の返事。

昼過ぎにWHO前から20人くらいで出発。
知ってる顔も新しい顔も。
わいわいと市バスを3本乗り継いで1時間くらいで、到着。
スイスと国境ぎりぎりのフランス側に受付はあります。
が、直径27kgの円形の陽子をぶつける施設はスイス側の地下にある模様。


精神科女医のLSHTM、WHOインターンからJPOへ

と、思ったらこちらは展示場?
道路反対側がツアー受付。

WHOインターン受け入れ恒例の台湾人の研究員が出迎えてくれます。
早速、施設概要や彼の研究の説明をしてくれます。

「宇宙誕生の瞬間を再現するため、ジュネーブのフランスとの国境にあるセルンで建設された。最終的には、光とほぼ同じ速度に加速された陽子ビーム同士を衝突 させビッグバンが起こった1兆分の1秒後の宇宙と同じ温度 ( エネルギー ) を作り出し、重さ ( 質量 ) の起源となると仮定されているヒッグス粒子発見などを主な目的にしている」
「ヒッグス粒子発見はすぐには無理だと思うが、超対称性粒子や超対称性粒子の一つと言われている暗黒物質 (ダークマター ) は発見されるかもしれない。とにかく知らないものが多く見えてくるはずだ」
とのことをこちら で事前予習しましたが、
「すごいことのようだが、(時間やお金や労力を膨大にかけてまで)どうしても知らなくちゃいけないとまでは思えないなあ」
というのが私のCernへの前提知識でしたので、
「こりゃ必要だ!」
という合点がいく瞬間を求めて聞き入りました。
けど、聞いても聞いても、なんだか核心を教えてくれているのかくれていないのか、男の子の大きな夢物語みたいなものが続きます。

「こんな何千億円もかけて6000人のスタッフで、あるかどうか分からないものを追いかけるなら、ワクチン普及とか自殺対策とか、目の前で確実に仕上げるべきものにお金も人もほしいよねえ」
とインターン同士で、内緒話。

「セオリーやモデリングでは、情報が不十分なのですか?」
と聞いてみたところ、
「かかっているお金も膨大だから、そういう疑問も涌くよね。だけど、現実と理論はやっぱり違うから、ここはぜひ実証したいところなんだ」
と、力説されました。

うーん、やはり、なんでこの夢物語のような設備にこれだけの大金が労力が集まっているのか不明です。
軍事用に使える内容かなあ???
ちなみに、インターネットはここで発明されました。


精神科女医のLSHTM、WHOインターンからJPOへ

こちらは古い古い設備のようです。
天井から衝突を写真にとって、マニュアルで解析していたようです。

いろんな装置や物理の基礎を体感できるコーナーなどの展示物も説明してくれます。

結局、腑に落ちないままツアーは終わってしまいました。
何かの機会に「必要性」を実感できるといいなと思います。


精神科女医のLSHTM、WHOインターンからJPOへ

ひゃ~、帰り道は大雪になってしまいました。
皆で力を合わせて家路につきます。
雪でバスもトラムも大混乱。
いつもの倍の時間をかけて、帰路。
と思ったら、WHO方面から駅方面のバスはさらに混乱して、大勢が徒歩で帰宅したとか。
後日、お互いの苦労話をして、ちょっと雪苦労自慢みたいになっていました。