UCLのGlobal Health Symposia Seriesへ | 女医の国際精神保健

女医の国際精神保健

精神保健および公衆衛生を軸に、韓国、ロンドン、ジュネーブ、ニース、フィジー、赤道ギニア、東京、インド。
他にも、旅行、馬術、音楽、写真などについて記載しています。

The global burden of mental health disorders: taking a primary care approach

Why do many middle and low-income countries devote less than 1% of their health expenditure to mental health, when mental health disorders represent a substantial proportion of the world's disease burden? This symposium will focus on primary care mental health. It will explore the difference in primary care systems in various parts of the world and what this means in terms of prevalence of mental health disorders, its recognition and treatment. The discussion will focus on what can be done to address this neglected issue.

Professor Michael King (UCL Mental Health Sciences), Professor Irwin Nazareth (UCL Primary Care & Population Health) and Professor Sir David Goldberg (Kings College London) will present an overview of mental health research across the world, followed by a discussion with inputs from Mr Alisher Latypov (Wellcome Trust Centre for the History of Medicine at UCL), Dr Kate Walters (UCL Primary Care & Population Health), Professor Steve Iliffe (UCL Primary Care & Population Health) and Dr Sushrut Jadhav (UCL Mental Health Sciences).


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これ を聞きにUCLへ同級生と行きました。
Patel先生 以外からの情報にも興味あるよね」
と、同級生。
同感。
何しろ、global mental healthに関して、どの文献を見ようとも彼の名前のオンパレードだったから。
その実力と体力は本当にどこから可能なのでしょうか?
(繰り返し過ぎですが、彼は私のスーパースターです)

3名からの発表のあと、1名の指定討論があり、会場との質疑応答という構成でした。
私の感想は、
ーlitereture reviewは役立つなあ
ーsteering committeeを活用させるのは大変だなあ(iCD-10の作成は本当に大変だったようです。ICD-11はずっと働きやすいとのことなので、2013年の発表が楽しみです)
ー精神科領域のEBMは難しいのだなあ(mhGAPはその点で画期的とのこと)
ー人類学者は精神科がものごとを医学化しすぎと思ってるみたい
ー医療が提供される時点で無料であるのは必要だなあ(医療費は別のときに聴衆して、3割負担も含め病気の時には金銭的負担なしにすべき)
ー診断が難しい疾患(精神科は全体的にそれにあてはまる)は、医療全体に行き渡るのも難しいし、治療も難しい

なかなか注目を浴びられない公衆衛生分野の特徴としては、
1、魅力がないもの
2、家族の経済状況に直結しないもの
3、想像がつかないもの
というのが挙げられました。

精神疾患の診断は本人にレッテルを貼るか?
診断をするというのは、次の治療につながるってこと。適切な資源を使えるってこと。

精神疾患を家庭医が診断するためにガイドラインをつくるのはなぜ?患者を精神疾患にあてはめるため?
家庭医は幅広い疾患をみるため、診断がしにくい精神疾患のガイドラインが揃うことは、家庭医の診断を早くすることつまり家庭医が仕事をしやすくすること

精神疾患はそもそも存在するの?医者が作り出しているだけでは?
診断や治療は、基本的に患者の希望があって始まることが大切。
それは本人が何か困っているってこと。
そして、精神疾患は精神症状や機能低下もあるが、日常生活への支障があることが診断や治療に踏み切る見極めの根拠。この社会機能の低下はやはり医療が介入すべき。


いろいろ興味深い話しが登場し、そんでもってPatel先生の研究結果や取り組みはやっぱり紹介されて。
同級生達と「やっぱ我らのPatel先生が最高だよね~」と意見一致。
「精神医学、精神疾患の存在そのものを疑う声が大きかったね。まだまだ、そのあたりはstigmaかな?」