ちょうど短編集を読み終わったところなので、ころがりながらこの本をペラペラと見ている。
久世さんは文章が美しくて、だから余計に胸がしめつけられるのかもしれない。
久世さんに騙されて昔はよかったと思ってしまいそうになる。
しかし、本当に昔がよかったかどうかは疑問だ。
少なくても女性やマイノリティーは現代の方が間違いなく解放されているはずだと思う。
便利で豊かでなんでも手に入るはずの今だけれど、不幸も争いもなくならない。
簡単に欲しいものが手に入るのに心の渇きはなくならない。
安易に昔がよかったなんて思うべきではないけれど、多くを求めない心持ちでいられる方が心の平安は保たれるような気がする。
物質が豊かで情報があふれる世界が良い世界とは限らない。
これだけ1日が過ぎるのが早いのは多くを与えられすぎているせいだと思う。
1日1日を大切に生きられてこそ満ち足りた気持ちになれるんじゃないかなと思う。
今更だけれどものでは心は満たされない。
これからはその事を実感する人が増えて時代の価値観も違ってくるんじゃないかと思う。