先週末、高濃度ビタミンC点滴療法の日本の権威で点滴療法研究会会長で公私共に大変お世話になっている柳澤厚生先生から、メールをいただきました。


急性および晩発性の放射線障害に対して、ビタミンCを中心とした抗酸化物質を上手く使うことがポイントになるであろうというsuggestion でした。


実は、私の母校である防衛医大の同期生の木下学先生らが、昨年3月に日本放射線影響学会の英文機関誌であるJournal of Radiation Research誌上において、「アスコルビン酸(ビタミンC)の前投与はマウスの大量放射線暴露による致命的な胃腸症候群を防御する」という論文を発表しています。


これは、外部被曝による影響をマウスで調べた研究なのですが、考察のところにはこうまとめられています。


“我々が放射線事故または核を使用したテロ等に遭遇した直後、放射線で汚染された地域から犠牲者の救出を行う前に、レスキュー隊の隊員がすぐにアスコルビン酸を経口的に摂取しておくことが重要である”と…


柳澤先生もこの論文に注目しつつ、海外での他の研究報告(ひとつは内部被曝に関してのもの、もうひとつはヒト白血球細胞における放射線の細胞障害とビタミンCとの関係をみたもの)も参考にした上で、次のように提言されています。


“長期にわたる低濃度放射線被曝により生じうる健康被害を抑え、可能な限り次世代への影響を防ぐ為、該当地域に居住する国民にビタミンCなどの抗酸化サプリメントの摂取を提唱する。また、高濃度放射線被曝環境で働く作業者の健康を守るために、直ちに高濃度ビタミンC点滴療法と抗酸化サプリメントの摂取を導入すべきである。”


放射線障害に対する人における、高容量のビタミンCサプリメントの摂取や高濃度ビタミンC点滴療法に関しての大規模な臨床研究はもちろんありはしません。


しかし、これらの治療は大きな問題となる副作用がないということは、これまでに行われてきたがん患者さんに対する高濃度ビタミンC点滴療法やサプリメント療法で実証済みです。


柳澤先生は、こうも仰っています。


“放射線被曝の健康への影響は放射線レベルにより様々ですが、私たちはどのレベルにあっても自分たちの健康を守り、次世代に被曝の影響を残してはなりません。そのために日々の生活で私たちが放射線被曝を避けると共に、自分の体が放射線被曝の影響を受けにくくすることが必要です。そうです、自分と家族の健康を守るのは自分自身です。”


私たち抗加齢医学を専門にする医師たちが、今こそ力を合わせてこの非常事態から国民の皆さんの健康長寿を守っていかないとなりません。


是非、柳澤先生からのメッセージをお読みになって下さい。


http://web.me.com/mr21/iv-therapy/Radiation.html