青木晃のアンチエイジング日記


今日は、某大手食品会社(乳製品関連)さんでランチョンセミナーの講師をしてきました。


そこでのテーマは、「アンチエイジングにおける食の重要性」。特に「朝食の重要性」についてを重点的にお話してきました。


先日のワンダフルエイジング研究会でも、エリカ・アンギャルさんは、「美しくなる10のポイント」の解説の中で、『食事を抜かない』ということを強調されていましたね。そのお話の中で特に印象的だったのは、「朝は王様のような、昼は王子様のような、夜は貧者のような食事を心がけましょう」というようなことを仰っていました。朝はしっかり豪華に、昼はまあまあ、夜は少なめにということですね。


世の中には「朝食抜きダイエット」や「朝食を食べない健康法」などもあります。「三食きちんと」なのか?「朝抜き」なのか?結論からいえば、医学的なエビデンス(実証)は、どちらもありません。これまでの医学は病気・疾患にシフトした立ち位置で進んできた学問ですので、健康医療的なスタンスでの大規模な研究はほとんどありません。


この場合、きちんと一日三食食べるグループと朝食抜きのグループを作って、ある程度の長い期間追跡し、疾患罹患率の違いや余命の違いあるいは、体重の推移などをデータとして収集し統計学的に比較検討しないとなりません。


エビデンスが出るまで待っていたら、その間に今生きている私たちはエイジングしてしまいます(笑)


アンチエイジング医学である程度エビデンスが出ていることもあります。そのひとつが、アンチエイジャーは血液中のインスリンというホルモンレベルが低かったということです。


これはどういうことかと言うと、血糖値を調整する作用のあるインスリンをむやみやたらと出すような生活をしていなかった人が長寿者に多かったということなのです。インスリンは食事をして血糖値が上がるとすい臓から分泌されます。その分泌パターンは食事の内容や食事を取るタイミングによって変わることが知られています。


より具体的には、血糖値が上がりやすい食物を取ればインスリンはたくさん出ます。また、空腹(絶食)の時間が長いと次の食事の時の血糖値の上がりが大きくなるので、この時もインスリンはたくさん出ます。


この図をご覧下さい。



青木晃のアンチエイジング日記

青木晃のアンチエイジング日記


上は、三食きちんと取った時の血糖変動のグラフ、下は朝食を抜いた時の血糖変動のグラフになります。


朝食抜きでは、昼食後、夕食後の血糖値の上がりが大きいのがわかります。また、昼食前に三食摂取の場合と比べてやや低血糖気味になっているのもわかります。


朝食抜きは血糖値の変動幅が大きく、無駄なインスリン分泌が多くなるのですね。


インスリンの主な働きは血糖値を下げるということですが、脂肪の分解を抑制し、脂肪を蓄積させる方向にも働くダイエットにはマイナスな作用も持っています。お相撲さんの食事が一日二食のドカ喰いなのは、それが効率よく太れるからです。また、インスリンは長期的には動脈硬化を促進させる方向に働くことも知られていますので、インスリンがたくさん出るような食事の取り方はアンチ・アンチエイジングなのですね。


朝起きた時に健全な空腹感がないのは、夜の睡眠が問題となっているはずです。早寝早起きの人では朝食抜きは少ないというデータもあります。


アンチエイジングなライフスタイルは、「朝食を抜かない生活を送ること!」といえるでしょうね。


因みに、どうしても食欲がわかないという人は、フレッシュな野菜・フルーツジュースや、ヨーグルト+カットフルーツなどでもOKです。私の場合、ご飯を半膳に卵1個、納豆、味噌汁、生野菜サラダ(フルーツ)が定番の朝食です。