小学生の時、円山動物園ではじめてマレーグマを見ました。

それまでは、ヒグマやシロクマしか見たことはありませんでした。

マレーグマの印象は体毛が短くて、体格は小振りで、なんとも

ひょうきんな感じがしたことでした。

当時は1頭しか飼育されていなかったと記憶しています。

先月の7月25日、同園のマレーグマの老雌(推定30歳以上)が死んで

いるのが確認され、若い雄に攻撃されたことが原因と判明しました。

若い雌1頭も加えて、3頭ものマレーグマが飼育されていたとは知りません

でした。

この事故の報道記事を読んだ時、若い雄と若い雌とで繁殖を計画し、まず

同居訓練から始めたが、老雌を「仲介役」としていっしょに同居させ、その

ために若い雄に攻撃されてしまったと知り、大きな疑問が湧きました。

「仲介役」てなんだろうと。

マレーグマの世界では、人間界のような「お見合いばあさん」(最近では

絶滅危惧種らしい)が、若いもの同士の縁を取り持つようなことをするのか

ということです。

もっと露骨な例えをすると、江戸時代に未経験者同士の結婚の初夜の時に

「介添え女」と呼ばれる年配の女性が、失敗しないように指導をしていたそう

なんですが、そのような役割を老雌に期待したのか。

まさかそんなことはないだろうと、素人ながらに思ったのです。

童話やアニメに出てくるクマのように擬人化しすぎて、ヒトとクマの区別が

つかなくなったのかとも思っていました。

札幌市が立ち入り検査をして、改善勧告をしましたが、その中で、3頭同居

訓練での成功例はないと指摘されていました。

前例がないことをする上に不十分な監視体制だったことが、今回の悲劇を

招いたようです。

マレーグマの生態についてはまったく知りませんが、一般的にはクマは

単独生活をする生物であり、多頭飼育には不向きと聞いたことがあります。

今回の場合、若い雄にしてみると、繁殖能力のない(フェロモンみたいな物も

出ていない?)老雌は自分の縄張りを侵す個体としてしか認識できず、排除

しようと攻撃したのではないかと、素人ながらに考えました。

擬人化して表現すれば、若い雄は若い雌とふたりっきりでイチャイチャしたい

のに、保護者のばあさんがついてきて目障りで、ついカッとなって暴力行為に

及んでしまったとなるでしょうか。

発情期の動物は怖いと思います。

私が子供の頃の経験では、犬や猫でも、この時期は大変です。

普段とは違った妙な泣き声とか唸り声とか出しますからね。

昔は放し飼いの犬がけっこういて、発情期になると雄犬が雌犬のところに

何匹も集まったりとかしていました。

路上で交尾したままくっついて離れない犬のカップルがいて、雄が雌を

引きずって行こうとしていたこともありました。

それを見かねた近所のおじさんが水をかけたり、ホウキで叩いて離れさせようと

していた光景が今でも思い浮かんできます。