日本古来から伝えられる伝承療法。

西洋医学が入ってくる前、私たち日本人はどのようにして体と向き合っていたのだろう?

更には、現代のような科学がなかった時代、人間は体をどのように捉えていたのだろう?

岩手に住まうマタギ、シュウイチさんにお会いしました。朝早く尋ねたのにも関わらず、快く色々なお話を聞かせてくださいました。

西洋文明が入ってくる前、日本という地は自然の中で暮らしていた。熊を獲るのは、食べるため、寒さを凌ぐため、そして「熊の胆」という薬のため。そのような人間にとって必要不可欠なものを自らの命を使って、自然界から頂戴していた。

現代文明の発達は一方では素晴らしい人類への貢献であり、科学の発達がどれほどの益をもたらしているのかは計り知れない。しかし、人間の認識の傾向でもあるが…一方を立てれば、一方を潰すのだ。科学を発達させればさせるほど、人間は自然から乖離していった。自然を軽んじた。

挙げ句の果てには、自然には力はなく、科学の介入がなければ何も守れない…そんな風に思い込んだ。

これは違う。
科学は自然界という非線形の一部であり、解析する道具に過ぎない。

「熊の胆」という熊の胆汁を米3粒程度を水に溶かして飲む。またマムシの毒を焼酎に混ぜて飲む。そこには単体の物質成分などなく、科学では測定できない自然界の持つ揺らぎが生じている。

人間を線形に捉える時代は終わり、人間の自然回帰が始まるでしょう。しかしそれは決して科学の否定ではない。

科学の持つ解析能力を持って、埋もれてしまった人類の叡智を再び掘り起こし、人類の進化に繋いでいく。

そしてそれはすべてを融合させる日本という独特の和の文化が担うべき仕事なのだと思います。

この2日間、自分の意志とは関係なく展開していく場面場面に、まるで不思議の国のアリスのような気分でしたが、やっと今、その意図が分かってきました。…帰りの新幹線の中で、、、目が覚めてきたようです。笑

岩手で出会った方々、すごいタイミングでのご縁でした!ありがとうございました。
そしてお誘いくださった五内川 浩代さん、素晴らしい旅を本当にありがとうございました!