僕の誕生日には、まだちょっと間がある日。
二人の仕事がわりと早い時間に終わりそうで。
次の日が一緒に休み。

そんな夜にちょっと早目に誕生日のお祝いをしてくれることになった。




僕が・・欲しいって強請った、プレゼントを開ける。

翔くんが広げながら、出した品物を一つ一つ説明してくれる。

まず一つ目。
・・これは・・見たことがある。


「ちゃんとした保管してなかったから・・
シミもあるし、黄ばんじゃってくるけど。
これはね・・・

俺が智くんみたいに踊れるようになりたい、って。
あなたのすぐ後ろで必死に食らいつく気概を持って、レッスン受けてた頃・・
レッスン着にしてたTシャツ」


翔くんは一気にそれだけ言って。
覚えてる?
みたいな顔で僕の方を向いた。
・・・覚えてるよ。

僕より、ちっちゃくって。
智くん、智くんって。
今とぜんぜん声も違って。
子犬がまとわりつくみたいに来てた頃。
いつも、このTシャツ、着てた。

翔くんは・・・
手でテーブルからすくい上げて。
懐かしそうにTシャツを見る。


「ん・・懐かしいな・・・久しぶりにこないだ、引っ張りだした。
智くんみたいには、なれなかったけど・・・
ジュニア時代の俺の思い出の一着・・かな」