「松潤のと一緒に、智くんの誕生日のプレゼントも一緒に買っちゃったから。
届いたら、渡すね」

さらっと翔くんに言われた。


今年もずいぶん早く考えてくれたんだね。
でも・・・それ・・欲しくない。


僕の欲しいものじゃない。




「・・・・うん。ありがと」

笑顔も、弾んだ声も出なかった。
そんな僕の反応に翔くんは当然気がついて。


「なんか・・欲しいもの、あった?」

あるけど・・・



「ピアス・・欲しい」

「あなた、穴開けてないでしょ?いまさら開ける?」

「じゃあ・・へそピ欲しい」

「だからさ・・・智くん。あなたには、使えないものでしょ?」


こんな時に、使われる”あなた”って・・・
すごく冷たく響くんだね。



「じゃあ・・もう、なんでもいい」

「・・なに?どうして、そんなひねてるの?」

「別に・・・」



羨ましかっただけ。
僕も欲しいな、って思っちゃっただけ。

同じものは、手に入らないって分かってるけど。



「わかった。キャンセルしとく。
欲しいもの、考えといて。
俺も、もう一度、考えとく」

「・・・いい。いらない。
翔くんが買ってくれるもの・・なんて。
僕・・いらない」




欲しい、と、思ったものは・・・買えるものじゃないから。