陰陽師の智の続編です。


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「ニノはいくら頑張っても、浄霊できるようにはならないと思うよ」


なんの感情もこもってなくて。
日常会話のついでのように・・

宣告された。




センセーには、きっと大したことじゃない事実なんでしょう。
ワタシにその能力がないことは、最初から分かっていたんでしょうから。
でも・・・ワタシはセンセーのように浄霊できるようになりたかった。


センセーの側に置いてもらって。
学んでいけば、きっといつかはできるようになると・・・
信じていた。
それだけを信じて・・今までやってきたのに。


「ニノの能力は~~~~~~~だから。
オイラのようにはできるようにはならないよ。
だから、もっと、~~~~~~~~を~~~~して。
~~~~~~~~~だけど?」

センセーが何かおっしゃっているけれど。
言葉が言葉として、頭に入ってこない。
ただ、音として耳に入ってくるだけ。

こんなときにまで、センセーの声は耳に優しい。


『できるようにはならない』

その宣告だけが、頭のなかで谺のように響き渡る。


「わかった?」

訝しげな顔をしたセンセーが、ワタシの顔をのぞきこんでいた。


「わかり・・・ました」


このまま、お世話になっても、センセーのようにできないなら。
いつまでも、ここでお世話になっているわけにはいかない。
先生にご迷惑をかけているだけ。
何回も、何回も。
ワタシが拾ってきた悪霊を浄霊してもらって。

いつかは、その御恩をお返しできるようになる。
そう思っていたのに・・・