玄関で物音がしたから、迎えに出た。

「翔くん、お疲れ様。疲れたでしょ?お風呂のお湯、入ってるよ」

翔くんの荷物を受け取ろうと、手を伸ばしたら・・
その手を掴まれて、ぐいっと引かれた。

ドサっと、バッグが落ちる音がして。
僕は、翔くんの腕の中に入ってた。


「ただいま・・・智くんを・・補給させて」


尋ねてるのに・・・返事する前に、口ふさがれたら、返事できないよ。
触れ合ったまま、返事しようかと、口を開きかけた。


押し入られて。
もっと・・返事できない。

絡まれて。吸われて。噛まれて。


「んっ・・・」

翔くんが、体全体で、迫ってくるから、知らず知らずのうちに、後ずさってたみたいで。
壁に体が押し付けられて、そのことに気がついた。

それほどまでに、僕も、夢中になってた。



離れた時に、大きく息を吐いた。
夢中になってて、息が苦しくなってた。



「智くん・・・」