映画の撮影で、今日の自分の全てを出しきった感じがして。
空っぽになって、帰った。


誰もいない、空っぽの真っ暗な部屋に帰る。
はずだったのに・・

玄関を開けたら、中には、明かりが灯っていて。

それだけで、心のどこかに温かさが、ポツン、と落ちたような気がした。



リビングのドアを開けたら。


「おかえり。疲れただろう?」

大野さんがいた。
さり気なく、手から荷物を持ってくれる。

また、心のどこかに温かさが落ちた。



口を開く気力もなくなってて。
ただ、大野さんに抱きついた。

柔らかに、背中に回された大野さんの腕は、ワタシを温かく、包み込んでくれて。

何も言えないワタシに合わせて。
大野さんも、何も言うことはなくて。

ただ、温かさを心に落としてくれている。





「なんで・・・?」
ようやく、口を開けるようになって、尋ねたワタシに。


「誕生日、おめでとう。
生まれてきてくれて、ありがとう。
オレの側に来てくれて、ありがとう。

それだけ、言いに来た」


明日の準備があるだろうから、って、帰ろうとした大野さんを・・・
引き止めるだけの、言葉が出せない。

側にいて欲しい。
温かさをもっと、落として欲しいのに。


ただ、ひたすら、大野さんを見つめた。


ワタシの方を振り返って。
目が合った。

瞳の奥の。頭の中の。心の奥底まで。
覗きこまれたような気がした。





荷物を置いた、大野さんは、もう一度、ワタシを抱き締めて。
温かい唇を落としてくれた。


「邪魔にならないように寝室にいるから。
明日の準備が出きたら、おいで」



大野さんの気配をなくすように。
荷物も全部持って、寝室に引きこもった。




ワタシは台本を取り出して。
明日、また、違う人物になれるように。
自分の中に、埋め込む作業を始めた。





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二宮和也さん。
お誕生日おめでとうございます!

ごくごく簡単ですが(笑)

これで、ニノのハピバ記事は終了~


続き・・そのうちに・・出すかも。