智と同じように、ショウくんの腕の中に抱かれて。
肩に顔を押し付けて、涙を流した。

なんで、アイツは泣いてるんだろう?

鏡を通して、アイツの絶望が、僕の中に流れ込んできた。
なんで?

翔くんの腕の中にいて、抱きしめてもらってるのに?

好きで、好きで、好きで。
なのに、その想いが通じてない、って・・・

思ってる。




「ねぇ?むこうの翔くんて、智のこと、好きじゃないの?」

「好きだよ。
誰よりも愛してて、大事にしたいと思ってる。
でも・・・下手なんだよ。
智に分かるように、表してやってない。
大事にしすぎて、考えすぎてる。

今だって・・
大好き、って言われて、何も言ってないだろ?

心の中は、智のことでいっぱいなのに。
アイツも、バカだよな・・・」


じゃあ・・何をそんなに、悩むことがあるの?
「智もバカだよね?何も考えなくても、いいのにね?」

「オマエのせいだろ?」
そう言って、ショウくんは苦笑した。