「大野さん?」
後ろから声を掛けられて・・・
つい・・ビクっとしてしまった。

「はい?」
ヤバイ・・声も・・裏返っちゃった。
って、いうのも・・・ちょっと・・後ろぐらいことが・・あって・・




「こないだ・・潤くんとアメリカ・・行ってきたそうですね?」
オイラの肩に手を載せて・・
やんわりと、揉むようにしながら、猫なで声で言うから・・

余計に、緊張して・・・

まさに・・その松潤とアメリカに行ったのが・・
問題で。

仕事で、行ったんだよ。
だけどさ・・・夜はオフじゃん。
つい・・日本では、できないようなことして・・
羽目を外しちゃったっていうか。

でもさ、松潤だからさ・・まさかさぁ・・・
そんなこと、あるとは、思わないじゃん。



「ちょっと・・話、しましょうか?」
笑ってるけど・・笑ってないよね?
その顔も・・声も・・・




ニノの家に連れて行かれた。

なんとなく・・こわごわ・・入る。
なにもないって、分かってるよ。
でもさ・・なんとなく、怖いんだよ。
部屋が・・というより・・ニノが。


でも、オイラの警戒心とは、裏腹に・・
ビールが出され。つまみが出され。
ちょっとした、スキンシップなんかも、取ったり取られたりして。

すっかり、気分も解れて、もう大丈夫かも?
なんて、思ったところに・・

「さあ。そろそろ・・話してもらいましょうか?」

「なに・・を?」

「アメリカであったことですよ」

「何も・・何も・・ないってば!」

「へぇ・・しらを切るつもりですか?じゃあ・・コレ?なんなんですか?」


シャツの襟を、指先でグイッと・・下げられた。
そこにあるのは・・・

消えかかってはいるけれども・・
付けられた朱い痕で・・・



「こんなの付けさせといて・・何もない。・・は、ないですよねぇ?」
冷たい笑顔が・・怖い。